「体臭苦情のため機外へ」　黒人男性3人が差別を訴えアメリカン航空を提訴

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アメリカの消費者団体「パブリック・シチズン」は29日、黒人男性3人がアメリカン航空から人種差別を受けたとしてニューヨーク連邦地裁に提訴したと発表。匿名で体臭に関する苦情があり、一方的に搭乗機から降ろされたと訴えています。3人は互いに面識がなく、他にも5名の黒人男性が降機を促されたと原告側は主張。黒人客らは搭乗口で待機し約1時間後に再搭乗が許可されましたが、精神的苦痛を受けたとして損害賠償を求めています。
訴状によると今年1月5日、原告らはアリゾナ州フェニックスからニューヨークへ向かう便に搭乗。全員別々の席に座っていましたが、出発直前に客室乗務員から詳しい説明なしに機内から出るよう指示されました。原告が理由を求めると、「体臭について苦情があったため」とスタッフは説明。大半の乗客は白人で、機長の指示により8名の黒人男性は一時的に機内から降ろされました。
原告のアルビン・ジャクソン氏、エマニュエル・ジャン・ジョセフ氏、ザビエル・ヴィール氏の3人は共同声明で「出発直前に搭乗していた全ての黒人男性が降機を促されたが、肌の色以外に共通点がない。これは明らかな人種差別だ」と航空会社の対応を激しく非難。男性らはそれぞれ当日早朝にロサンゼルスから別の航空機でフェニックスへ到着しましたが、その際は何も指摘されなかったと証言しています。一方のアメリカン航空は、「差別に関する申し立てを真摯に受け止めており、当社の航空便を選択された全てのお客様に満足していただきたい」とコメント。詳しい原因を調査し、専門家らの意見を踏まえた上で対応する方針です。
原告らは体臭に関する説明は虚偽であると主張し、搭乗時から白人男性乗務員による偏見があったと指摘。「フライトから着陸までのあいだ屈辱的な仕打ちを受け、これまでにない不安と苦痛を経験した」と沈痛な面持ちで語りました。原告のジョセフ氏はアメリカン航空の対応について、「1955年に公民権運動家のローザ・パークス氏がアラバマ州でバスに乗車した際、後部座席へ移動させられた件を想起させる」と批判。70年経った現在も似た状況が続いており、許し難い対応に憤慨していると述べました。
アメリカン航空は昨年、黒人ミュージシャンのデビッド・ライアン・ハリス氏への対応をめぐりロサンゼルス国際空港で不備があったとして公式に謝罪しています。

参考元：BBC NEWS・AXIOS・NBC NEWS