ニューヨーク市地下鉄について解説 路線や料金について紹介

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ニューヨーク市地下鉄について解説 路線や料金について紹介

更新日:2024/01/29

ニューヨーク市地下鉄

ニューヨーク市地下鉄(MTA)の概要

ニューヨーク市地下鉄(MetroTransportationAuthority)は、マンハッタンを中心に毛細血管のように張り巡らされた”市民の脚”とも言える公共交通機関です。ニューヨーク市内はタクシーやバスの利用も便利ですが、地下鉄はその迅速さと広範囲に渡るアクセスの良さで群を抜いています。地元住民だけでなく世界各国から訪れる観光客にとっても、コストを抑えて効率よくニューヨークの地を巡ることができる最良の選択肢です。

地下鉄を利用すれば、ニューヨーク市の代表的な観光地はもちろん、知る人ぞ知る穴場スポットへも簡単に足を運べます。市民の日常生活にも欠かせないこの交通網は市内のほぼ全域を結んでおり、旅行者にとってもニューヨークの魅力を深くまで探求する重要なキーとなるでしょう。

ニューヨーク市地下鉄の歴史と現状

ニューヨーク市地下鉄の歴史と現状

1904年10月27日に開業した“ニューヨーク市地下鉄”。アメリカ国内で2番目に開業したこの地下鉄の歴史は、マンハッタンのシティ・ホール駅と145丁目駅の約14.6kmの区間から始まります。このプロジェクトは1888年、当時の市長だった“エイブラム・ヒューイット”が市民の移動手段として計画。1900年には請負業者の“ジョン・B・マクドナルド”との契約によって建設がスタートし、1902年には“インターボロー・ラピッド・トランジット(IRT)”が設立されました。

1913年には“ブルックリン・ラピッド・トランジット(BRT)”とも契約し、地下鉄網の拡張が進みました。しかし固定運賃政策とインフレによる経営難が生じたことと1918年に起こった事故が原因での賠償金の支払いにより、翌年1919年にBRTは一度破産となります。BRTの資産を引き継ぎ、ようやく1923年に“ブルックリン・マンハッタン・トランジット(BMT)”として再出発した後、1932年に市直営の“インディペンデント・サブウェイ・システム(IND)”が開業しました。

1940年にはニューヨーク市がBMTとIRTを買収し公営化しましたが、異なる車両サイズだったため旧IRTとBMT/INDの路線は別々に運行されていました。その後、1953年に“ニューヨークシティ・トランジット・オーソリティ(NYCTA)”へ運営権が移行。1968年には“メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ(MTA)”の管轄となり、“ロングアイランド鉄道(LIRR)”との連携も強化されていきます。

近年では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる地下鉄利用者数の減少に苦しみましたが、衛生管理の向上や安全性の確保で、2023年6月には1日の平均利用者数が約360万人まで回復しています。

ニューヨーク交通博物館/New York Transit Museum

ニューヨーク交通博物館/New York Transit Museum

ブルックリンに位置する“ニューヨーク交通博物館”。ここは、ニューヨークの地下鉄とバスの歴史を体感しながら深く知ることができる施設です。地下1階と地下2階の2フロアで構成されており、それぞれ異なる魅力で溢れています。

地下1階は、地下鉄の歴史を年代順に追った写真パネルが展示されています。ここでは、地下鉄の変遷を目で追いながらその歴史を視覚的に学ぶことができます。フロア奥にはバスの歴史に特化したセクションも設けられているため、親子で一緒に周るのにも最適です。

地下2階は、昔の地下鉄の駅を模したユニークなデザインになっており、その雰囲気はまるで当時にタイムスリップしたかのよう。ここには、1920年代から現代に至るまで使用されてきた様々な車両が展示されています。これらの車両は実際に乗り込むことが可能で車両内に貼られた当時の広告や時代ごとのデザインをリアルに楽しむことができます。アメリカンヴィンテージ好きには特におすすめのスポットです。

さらに、この博物館には充実したお土産ショップも併設され、地下鉄のマップや路線のデザインが施されたアパレル商品、マグカップなど、電車好きにはたまらないアイテムが豊富に揃っています。ニューヨークの地下鉄とバスの歴史を存分に堪能した後は、来館した記念にお土産ショップに立ち寄ってみましょう。

営業時間:午前10時〜午後4時(木〜日曜日)
入場料:大人10ドル、子供(2歳〜17歳)5ドル、シニア(62歳以上)5ドル
所在地:99 Schermerhorn St, Brooklyn, NY 11201
公式ウェブサイト:New Yotk Transit Museum

ニューヨーク市地下鉄(MTA)利用時の決済方法

ニューヨーク市地下鉄(MTA)利用時の決済方法

ニューヨーク地下鉄を利用する際は事前に決済方法を確認しておきましょう。
支払い方法は主に、“メトロカード”と“OMNY”の2つです(2024年時点)。ここでは各支払い方法について解説します。

メトロカード

メトロカード

メトロカードは、“ニューヨーク市交通局(MTA)”が提供しているプリペイドカードです。地下鉄の各駅に設置されている自動券売機で購入でき、現金やクレジットカードでチャージ可能です。料金はカードの発券に1ドル、1回の乗車につき3.50ドル、7日間の無制限利用パスが34ドル、30日間のパスが132ドルで、比較的分かりやすい料金体系です。

OMNY

OMNY(OneMetroNewYork)は、非接触型の運賃支払いシステム です。改札に設置されたリーダーに、タッチ決済対応のクレジットカード・デビッドカードやデジタルウォレット対応のスマートフォン・スマートウォッチをかざして支払います。料金は1回乗車するごとに自動で請求されますが、週に34ドル以上の料金がかかることはありません。OMNY最大の魅力は、事前にチケットを購入する必要も現金を持ち歩く必要もない点です。なお、2024年中にメトロカードをOMNYへ完全移行する予定となっています。

ニューヨーク地下鉄の乗り方と注意点

地下鉄駅の見つけ方

地下鉄駅の見つけ方

ニューヨークで地下鉄の駅を探す際は、駅の入口付近に設置されている緑の球体の街灯を目印にします。
また、駅の入口上部には地下鉄の駅名が表示されているので、確認してから階段を降りましょう。

アップタウンとダウンタウンへの移動

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ニューヨーク地下鉄は、北行きの“アップタウン(Uptown)”と南行きの“ダウンタウン(Downtown)”が基本の移動方向です。 アップタウン(アッパー・マンハッタン)はマンハッタン島の北部やブロンクス方面へ、ダウンタウン(ロウアー・マンハッタン)は南部やブルックリン、クイーンズ方面への移動を意味します。

ただし、路線の表記には例外もあります。例えば、ブルックリンとクイーンズを繋ぐG線はマンハッタンを通らないため上記の表記はありません。その代わり、北行きは“CourtSq(コート・スクエア駅)”、南行きは“Church(チャーチ・アベニュー駅)”と駅名で表示されています。事前に終点や乗換駅を記憶しておくか、路線図を確認しておくことをおすすめします。

急行(EXP)と各駅停車(LCL)

急行(EXP)と各駅停車(LCL)

ニューヨーク地下鉄は、急行(EXPRESS、EXP)と各駅停車(LOCAL、LCL)の2種類があります。主要な駅のみに停車するのが快速のエクスプレス、全ての駅に停車するのが各駅のローカルです。目的地がエクスプレスの停車駅でない場合はローカルを利用する必要があり、間違えると思わぬ場所で降りることになるので注意しましょう。

乗り間違いに注意

乗り間違いに注意

ニューヨークの地下鉄はとても複雑です。そのため、初めて利用する方や観光客は進行方向や路線の乗り間違いに注意しましょう。駅によっては階段が複数あり、それぞれ異なる方向の改札へ繋がっています。改札を間違えると、一度外に出て正しい入口から再入場しなければいけません。料金を再度支払うことになるため注意が必要です。また、急行のエクスプレスと各駅停車のローカルの違いにも留意し、事前にアプリや案内図でルートを確認しておくと良いでしょう。計画的に移動することでニューヨーク地下鉄をスムーズに利用できます。

ニューヨーク観光における地下鉄利用のコツ

ニューヨーク観光における地下鉄利用のコツ

ニューヨーク市内の観光は、地下鉄を上手に利用することでよりスムーズに、そして効率的に楽しむことができます。ここでは、地下鉄利用時に役立つコツをいくつか紹介します。

1.地下鉄の路線図を入手する
ニューヨークに到着したら、まず地下鉄の路線図を手に入れましょう。各駅改札前にある駅員滞在の窓口でもらうことができます。この路線図には各路線と駅名が記載されており、街の全体像を把握するのにとても役立ちます。

2.予定を立てる
まず地図を広げて、訪問予定の観光スポットに印をつけます。印をつけ終わったら、同じ路線上にある観光スポットを探して予定を組み立てましょう。地図上では近く見えても、実際は乗り換えの時間や待ち時間がかかる場合があります。同じ路線上でまとめて訪れる計画を立てることで、迷うことなくスムーズな移動が可能です。

3.マンハッタンと郊外の移動を理解する
ニューヨーク地下鉄は、主にマンハッタン(市内)と郊外(ブルックリン、クイーンズなど)を結ぶように設計されています。マンハッタン市内は便利ですが、ブルックリン内の移動は地下鉄だけでは不便な場合もあります。その場合は徒歩やバスの利用を検討しましょう。

これらのコツを覚えておけば、ニューヨーク地下鉄を利用した観光がスムーズで快適になります。ニューヨークの街並みを眺めながら効率的な移動をすれば、道中の景色もより一層印象深いものとなるでしょう。

路線

路線

ニューヨーク地下鉄は、世界でも有数の複雑さと難解さで知られています。地下鉄の路線は色分けされており、乗客は色と路線番号またはアルファベットで目的の路線を識別します。ここでは地下鉄の路線を色分けし、走行区間のルートと特徴を解説します。

ニューヨーク市地下鉄(MTA)全路線を色別で紹介

ビビッド・ブルー(IND8番街線/IND Eighth Avenue Line)

ビビッド・ブルー(IND8番街線/IND Eighth Avenue Line)

A系統

ルート:インウッド-207ストリート(Inwood–207th Street)駅からファーロカウェイ・モットアベニュー(Far Rockaway–Mott Avenue)駅まで
特徴:マンハッタンの西側からブルックリンやクイーンズを経由。168丁目駅からユークリッド・アベニュー駅の間で急行運転を行っており、それ以外の区間は各駅に停車

C系統

ルート:168丁目(168th Street)駅からEuclid Av(ユークリッド・アベニュー(Euclid Avenue)駅まで
特徴:A系統の緩行として機能、全列車が両駅を始終発

E系統

ルート:ジャマイカセンターパーソンズ(Jamaica Center–Parsons)駅/アーチャー(Archer)駅からワールド・トレード・センター(World Trade Center)駅まで
特徴:ブルックリンには乗り入れず、クイーンズ中心
急行運転区間:クイーンズ・プラザ(Queens Plaza)駅からフォレスト・ヒルズ-71番街(Forest Hills–71st Avenue)駅まで(深夜運休)

ブライト・オレンジ(IND6番街線/IND Sixth Avenue Line)

ブライト・オレンジ(IND6番街線/IND Sixth Avenue Line)

B系統

ルート:ブロンクスのベッドフォード・パーク・ブールバード-リーマン・カレッジ(Bedford Park Blvd-Lehman College)駅からブルックリンのブライトン・ビーチ(Brighton Beach)駅まで
特徴:平日のみ運行

D系統

ルート: ノーウッド-205丁目(Norwood-205th Steet)駅からコニーアイランド-スティルウェル・アベニュー(Coney Island-Stillwell Avenue)駅まで
特徴:ブロンクス、マンハッタン、ブルックリンを結ぶ

F系統

ルート:ジャマイカ-179丁目(Jamaica-179th Street)駅からコニーアイランド-スティルウェル・アベニュー(Coney Island-Stillwell Avenue)駅まで
特徴:クイーンズ、マンハッタン、ブルックリンを縦断

M系統

ルート:57丁目(57 St Avenue)駅からミドル・ヴィレッジ-メトロポリタン・アベニュー(Middle Village-Metropolitan Av)駅まで
特徴:マンハッタンのロウアー・イースト・サイドを経由

ライム・グリーン(INDクロスタウン線/IND Crosstown Line)

ライム・グリーン(INDクロスタウン線/IND Crosstown Line)

G系統

ルート:クイーンズのコート・スクエア(Court Square)駅からブルックリンのチャーチ・アベニュー(Church Avenue)駅 まで
特徴:マンハッタンには乗り入れず、クイーンズとブルックリンを直接結ぶ唯一の路線

ライト・スレート・グレー(BMTカナーシー線/BMT Canarsie Line)

ライト・スレート・グレー(BMTカナーシー線/BMT Canarsie Line)

L系統

ルート:8番街(8th Avenue)駅からロッカウェイ・パークウェイ(Rockaway Pkwy)駅まで
特徴:ブルックリンのウィリアムズバーグ地区を縦断

テラコッタ・ブラウン(BMTナッソー・ストリート線/BMT Nassau Street Line)

テラコッタ・ブラウン(BMTナッソー・ストリート線/BMT Nassau Street Line)

J系統

ルート:ジャマイカセンター-パーソンズ/アーチャー(Jamaica Center-Parsons/Archer)駅からブロード・ストリート(Broad Street)駅まで
特徴:ブルックリンとマンハッタンのロウアー・イースト・サイドを結ぶ

Z系統

ルート:Jと同じ路線
特徴:ピーク時のみ運行、J系統と並行

主要スポット

ウィリアムズバーグ(Williamsburg)

サンフラワー・イエロー(BMTブロードウェイ線/BMT Broadway Line)

サンフラワー・イエロー(BMTブロードウェイ線/BMT Broadway Line)

N系統

ルート:アストリア-ディットマース・ブールバード(Astoria-Ditmars Blvd)駅からコニーアイランド-スティルウェル・アベニュー(Coney Island-Stillwell Avenue)駅まで
特徴:マンハッタンのミッドタウンを経由

Q系統

ルート:96丁目(96th Street)駅からコニーアイランド-スティルウェル・アベニュー(Coney Island-Stillwell Avenue)駅まで
特徴:ブルックリンの主要な地域を経由

R系統

ルート:フォレスト・ヒルズ-71番街(Forest Hills-71st Avenue)駅からベイリッジ-95丁目(Bay Ridge-95th Street)駅まで
特徴:ローカルサービス(各駅停車)を提供

W系統

ルート:アストリア-ディットマース・ブールバード(Astoria-Ditmars Blvd)駅からマンハッタンのホワイトホール・ストリート(Whitehall St)駅まで
特徴:平日のみ運行、マンハッタンのミッドタウンを経由

トマト・レッド(IRTブロードウェイ-7番街線/IRT Broadway–Seventh Avenue Line)

トマト・レッド(IRTブロードウェイ-7番街線/IRT Broadway–Seventh Avenue Line)

1系統

ルート:ブロンクスのヴァン・コートランド・パーク-242丁目(Van Cortlandt Park-242nd Street)駅からスタテンアイランドのサウス・フェリー(South Ferry)駅まで
特徴:マンハッタンを縦断し、主要な駅に停車

2系統

ルート:ブロンクスのウェイクフィールド-241丁目(Wakefield-241st Street)駅からブルックリンのフラットブッシュ・アベニュー-ブルックリン・カレッジ(Flatbush Ave-Brooklyn College)駅まで
特徴:クイーンズには乗り入れず、ブロンクスとブルックリンを結ぶ

3系統

ルート:ハーレムの148丁目(Harlem-148 Street)駅からブルックリンのニュー・ロッツ・アベニュー(New Lots Avenue)駅まで
特徴:マンハッタンとブルックリンの間を運行

アップル・グリーンライン(IRTレキシントン・アベニュー線/IRT Lexington Avenue Line)

アップル・グリーンライン(IRTレキシントン・アベニュー線/IRT Lexington Avenue Line)

4系統

ルート:ブロンクスのウッドローン(Woodlawn )駅からブルックリンのユーティカ・アベニュー(Utica Avenue)駅まで
特徴:マンハッタンのイーストサイドを経由

5系統

ルート:ブロンクスのイーストチェスター-ダイアー・アベニュー(Eastchester-Dyre Avenue)駅からブルックリンのフラットブッシュ・アベニュー-ブルックリン・カレッジ(Flatbush Av-Brooklyn College)駅まで
特徴:平日のみフルルートを運行

6系統

ルート:ペラムベイ・パーク(Pelham Bay Park)駅からブルックリン・ブリッジ-シティ・ホール(Brooklyn Bridge-City Hall))駅まで
特徴:ローカルサービス(各駅停車)と<6>が交互に運転される

ラズベリー(IRTフラッシング線/IRT Flushing Line)

ラズベリー(IRTフラッシング線/IRT Flushing Line)

7系統

ルート:フラッシング-メイン・ストリート(Flushing-Main Street)駅から34丁目-ハドソン・ヤード(34th St-Hudson Yards)駅まで
特徴:クイーンズとマンハッタンを結び、同じ路線で混雑時のみ<7>の急行あり。

ダーク・スレート・グレー(ニューヨーク市地下鉄S系統)

ダーク・スレート・グレー(ニューヨーク市地下鉄S系統)

S系統(シャトル系統)

ルート:タイムズスクエア(Times Square)駅からグランドセントラル(Grand Central)駅まで(深夜運休)、ブロード・チャンネル(Broad Channel)駅からロッカウェイ・パークービーチ116丁目(Rockaway Park–Beach 116 St)駅まで、フランクリン・アベニュー-フルトン・ストリート(Franklin Avenue–Fulton Street)駅からプロスペクト・パーク(Prospect Park)駅まで
特徴:短い区間を結ぶシャトルサービス。特定の地域間の移動を提供する。

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