デス・バレー国立公園の見どころを解説 気温やベストシーズンを紹介

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デス・バレー国立公園の見どころを解説 気温やベストシーズンを紹介

更新日:2024/06/11

デス・バレー国立公園の見どころを解説 気温やベストシーズンを紹介

カリフォルニア州とネバダ州の境界に位置する“デス・バレー国立公園”。夏には50度を超える日もある、アメリカで最も過酷な自然環境を持つ国定国立公園のひとつです。また、砂漠と独特な色合いの地層が織りなす壮大な景色や、塩の平原や砂丘などの神秘的な景観で知られ、世界中から多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。この記事ではデス・バレー国立公園の基本情報や見どころをはじめ、観光のベストシーズン、アクセス方法についても解説します。

デス・バレー国立公園(Death Valley National Park)とは?

デス・バレー国立公園は、カリフォルニア州とネバダ州にまたがる広大な国立公園です。地球上で最も暑い場所に位置し、夏の気温が50度を超えることも珍しくありません。また、園内には北アメリカで最も標高が低い地点“バッドウォーター・ベースン(海面下86m)”も含まれています。そのほかにも、独特な形状の岩石や砂丘、鉱山跡など見どころが盛りだくさん。ここでは、デス・バレー国立公園の基本情報に加え、動く石(セーリングストーン)について解説してます。

気候・気温

気候・気温 デス・バレー国立公園は、米国一の乾燥気候と猛暑で有名です。別名「死の谷」と呼ばれるこの灼熱地帯は、夏季の平均気温が40度を超え、真夏の日中は50度近くまで上昇することも珍しくありません。気温が上昇する理由として、海面より低い標高の影響で空気の循環を妨げるためと言われています。

なお、過去にデス・バレー国立公園は最高気温56.7度を記録(1913年)しています。これは、世界で観測された史上最高気温としてギネス世界記録に認定されました。ただし、降水量が少ない砂漠気候は昼夜の気温差が激しく、夜間はとても冷え込むため注意が必要です。

面積・標高

面積・標高 デス・バレー国立公園の面積は、約1万3,518平方キロメートル。アメリカ国内で最も広い国立公園のひとつとして知られています。また公園内の標高は、北アメリカで最も低いバッドウォーター・ベースン(海抜-86m)から、テレスコープ峰(海抜3,368m)まで大きく変化します。この標高差がデス・バレー国立公園の大きな特徴であり、公園内に多様な生態系と景観をもたらす要因と言えるでしょう。なお、敷地内には直射日光を遮る建物がないため訪れる際は日焼け対策が必須です。

人口・住民

デス・バレー国立公園内の人口は300人~400人程です。国立公園局の管理スタッフや地元ホテルの従業員、季節労働者などが、訪問者センターやホテル、キャンプ場を構える“ファーニス・クリーク”を拠点として暮らしています。

ただし、過酷な砂漠気候の環境下では長期的な居住に適していません。平均気温が40度を超えるデス・バレーに居住するには、まず厳しい暑さに体を慣らすことから始まり、完全に慣れるには約1年かかることもあると言われています。そのため、この一帯は科学や生物研究での訪問、または観光地として利用されることが多い場所です。

動く石(セーリングストーン)

動く石 デスバレー国立公園の北西側に位置する、“レーストラック・プラヤ(塩湖の跡)”。この場所は不思議な現象“セーリングストーン(動く石)”が見られることで有名です。なかには100kg以上の石もありますが、人の手に触れることなく自然に動き、広大な平原に軌道を残しています。この現象は長年謎に包まれていましたが、近年氷の薄い層と微弱な風の相互作用により引き起こされることが科学的研究で明らかになっています。デス・バレー国立公園を訪れた際は、ここでしか見られない神秘的な現象を見てみましょう。

【デス・バレー国立公園の基本情報】

店舗名 デス・バレー国立公園/Death Valley National Park
住所 P.O. Box 579 Death Valley, CA 92328
入場料 $15~$30(※一部のアクティビティは別途料金が必要)
営業時間 24時間(月~日曜日)
定休日 なし
公式ウェブサイト Death Vally National Park

デス・バレー国立公園の歴史

デス・バレー国立公園の歴史 デス・バレー国立公園一帯は元々、遊牧民族“ティンビシャ(ショショーニ族)”の居住区でした。しかし1849年に起こったゴールドラッシュを機に、一攫千金を夢見た多くの人々がこの地に足を踏み入れます。その後、1850年代には金と銀、1880年代にはホウ砂(鉱物の一種)が採掘。その影響で20世紀初頭には鉱山の町として栄えましたが、資源の枯渇と共に衰退していきます。

1933年には、“ハーバート・フーヴァー大統領”により連邦政府の保護下に置かれ、広大な自然保護区域として1994年に国立公園に指定されました。現在は自然の過酷さと美しさが共存する場所として、世界中から訪れる観光客を魅了し続けています。

「死の谷」と呼ばれている理由

デス・バレー国立公園が「死の谷」と呼ばれるようになったきっかけは、1849年に起こったカリフォルニア・ゴールドラッシュです。アメリカ国内からだけでなく海外からも金を求める人々が殺到しますが、猛暑と水分不足によって谷を通過できず多くの命が失われました。その際、命拾いをした移民の1人が去り際に言い残した言葉「Goodbye, Death Valley(さようなら、死の谷)」が地名の由来と言われています。この呼び名は、デス・バレー特有の気候条件と生存する厳しさを表現していると言えるでしょう。

デス・バレー国立公園の見どころ

デス・バレー国立公園の見どころ アメリカ最大級規模の国立公園“デス・バレー国立公園”には、自然の美しさや珍しい景色が見られるスポットなど魅力がたくさんあります。ここでは公園内の見どころやおすすめスポットを紹介します。

ファーニス・クリーク/Furnace Creek

ファーニス・クリーク/Furnace “ファーニス・クリーク”は、デス・バレー国立公園の観光拠点です。ビジターセンターや宿泊場所、ギフトショップ、レストラン、ゴルフコースなど観光客向けの施設が揃っています。ビジターセンターの博物館には、デス・バレーの歴史や地理に関する展示が行われています。なお、自然解説プログラムに参加してデス・バレーの過酷な気候の特徴や、砂漠地帯を移動する際の安全対策を学ぶことも可能です。事前に注意事項や見どころを知ることで、安全に観光を楽しめるでしょう。

所在地:Airport Rd, Furnace Creek, CA 92328
入場料:自家用車(1台)$30/オートバイ(1台)$25/自転車または徒歩(1人)$15
※パスは7日間有効。支払い方法はクレジットカード決済のみ。
営業時間:午前8時~午後5時(月~日曜日)
定休日:なし
公式ウェブサイト:Furnace Creek Visitor Center

バッドウォーター・ベースン/Badwater Basin

バッドウォーター・ベースン 北アメリカで最も標高が低い“バッドウォーター・ベースン(海抜-86m)”。デス・バレー観光のなかでも見逃せないスポットとして有名です。目の前には広大な塩の平原が広がり、多角形型の珍しいソルトポリゴン(塩の形成)は、訪れる人々を魅了しています。

バッドウォーター・ロード沿いの駐車場から徒歩約20分のエリアでは裸足で歩くのがおすすめです。足の裏から伝わる塩の結晶の感覚は、神秘的な体験で思い出に残るでしょう。なお、湿った塩の上を歩けるのは世界でもこのエリアのみ。また、周辺の山々が湖に反射し、異世界のような風景を堪能できるのも魅力です。

所在地:Death Valley, California 92328
入場料:無料
営業時間:24時間(月~日曜日)
定休日:なし
公式ウェブサイト:Badwater Basin

レーストラック・プラヤ/Racetrack Playa

“レーストラック・プラヤ”は、広大な平原を石が滑るように移動する現象“セーリングストーン(動く石)”が見られる場所として有名です。この不思議な現象は、特定の気象条件の組み合わせによって引き起こされると科学的に解明されています。なお、デス・バレーの奥地にあるレーストラック・プラヤを訪れる場合は、デス・バレーの奥地にあるため朝早い時間帯の出発がおすすめです。また道も舗装されていないため、車は四輪駆動車が推奨されています。細心の注意を払いながら運転し、旅の思い出に神秘的な現象を写真に収めましょう。

公式ウェブサイト:Racetrack Playa

ダンテスビュー/Dantes View

ダンテスビュー “ダンテスビュー”は、デス・バレー国立公園を一望できる人気のビュースポットです。デス・バレー唯一の展望台(標高1,669m)から見下ろす景色は息を吞むほどの美しさ。広大なバッドウォーター・ベースンをはじめ、遠くの山々まで眺めることができます。

また、どこまでも続く絶景を望められるフォトスポットとしても人気です。フォトジェニックな写真を撮るなら、夕暮れ時がおすすめ。山の奥へと沈んでいく夕日と、塩の平原の色合いが美しいコントラストを形成します。旅の最後を締めくくる絶景ポイントとして訪れるのも良いでしょう。

所在地:Dantes View, Inyo County, CA 92328
公式ウェブサイト:Dantes View

悪魔のゴルフコース/Devils Golf Course

悪魔のゴルフコース 広大な塩原が隆起してできた、ごつごつ・でこぼこしたエリア“悪魔のゴルフコース”。「ここでは、悪魔しかゴルフをすることができない」という意味から、この名前が付けられました。ゴルフコースは、塩の結晶が鋭く固まっているため、歩く際は怪我をしないよう十分注意しましょう。なお、車で訪れる際は未舗装の道を進む必要があるので、予めタイヤを確認しておくことをおすすめします。

所在地:Death Valley National Park, CA 92328
営業時間:24時間(月~日曜日)
定休日:なし
公式ウェブサイト:Devils Golf Course

メスキートフラット砂丘/Mesquite Flat Dunes

メスキートフラット砂丘 デス・バレーの中で最もアクセスしやすい、広大な砂漠地帯“メスキートフラット砂丘”。流れるように広がった砂丘には、激しい暑さや乾燥に強いメスキートの木が点在しています。遮るものがなく日中は猛暑に晒されるため、夕方以降の訪問がおすすめです。夕暮れ時の砂に影ができる光景は訪れる人々を魅了し、足跡がない場所では砂漠の砂が反射した美しい写真も撮れるでしょう。なお、ここは映画「スター・ウォーズ エピソード4(1977年)」のロケ地としても知られ、作中でも砂丘の雄大さが活かされています。

所在地:Death Valley National Park, CA92328
営業時間:24時間(月~日曜日)
定休日:なし
公式ウェブサイト:Mesquite Flat Dunes

スコッティズ・キャッスル/Scotty’s Castle

デス・バレー国立公園に突如現れる、お城のような“スコッティズ・キャッスル”。1920年代に金探鉱者の“ウォルター・スコット”によって建てられたスペイン風の大豪邸です。宮殿のように豪華な建物は砂漠地帯で特に目立ち、建物内では1920年代の大恐慌時代や1930年代の生活様式など、歴史的な側面も垣間見ることができます。

ただし、現時点(2024年5月)はこの邸宅に続く道は閉鎖されています。一般公開の再開日時も未定となっているため、訪れる際は予め公式サイトで確認しましょう。

所在地:123 Scottys Castle Rd, Death Valley, CA 92328
入場料:無料
※敷地内やビジターセンターは無料で見学可能です。ただし、本館に入るには別途ツアー料金がかかります。

営業時間:臨時休業中
公式ウェブサイト:Scotty’s Castle

デス・バレー観光のベストシーズン

デス・バレー観光のベストシーズン デス・バレー国立公園観光のベストシーズンは春から秋にかけての涼しい季節になります。比較的気候が穏やかな10月~4月頃に訪れると良いでしょう。またこの時期は観光客が少なく、過ごしやすい気温のなかで日の出や日の入り、静かな砂漠の美しさを堪能できます。なお、7月~8月頃の日中は厳しい暑さに見舞われるため、この時期の観光はあまりおすすめしません。訪れる際は、熱中症や日焼け対策を忘れないよう注意しましょう。

デス・バレー国立公園の入場料

デス・バレー国立公園の入場料 デス・バレー国立公園の入場料は、車やオートバイ、徒歩、自転車など移動手段によって異なります。詳しい料金は以下の表をご覧ください。なお、チケットは購入後7日間有効です。

デス・バレー国立公園の入場料

$30
オートバイ $25
自転車 $15
徒歩 $15

また、年間パス「アメリカ・ザ・ビューティフル・パス」も購入できます。このパスはアメリカ国内にある国立公園や連邦管理地への訪問が可能となり、公園へ頻繁に訪れる方や家族連れの方におすすめです。有効期限は1年間。オンラインでの購入や公園の入口、ビジターセンターで購入できます。

年間パスの料金

アメリカ・ザ・ビューティフル・パス(※年間パス) $80

日本からデス・バレー国立公園へのアクセス

日本からデス・バレー国立公園へのアクセス 日本からデス・バレー国立公園を訪れるには、ネバダ州の“ハリー・リード国際空港(LAS)”または、カリフォルニア州の“ロサンゼルス国際空港(LAX)”を経由する必要があります。空港からはレンタカーやツアーに参加してデス・バレー国立公園を目指しましょう。ここではレンタカーでのアクセス方法や、ツアーに参加する方法を解説します。

レンタカーを利用する

レンタカーを利用する

ロサンゼルスからのアクセス

ロサンゼルスからデス・バレー国立公園までは、車で約4時間半の距離です。西と東の2種類のルートがあるため、予め混雑状況を確認して出発しましょう。

西のルート
まず、ロサンゼルス国際空港からレンタカーで州間高速道路405番北(I-405N)を北上します。州間高速道路5番(I-5N)に合流し、カリフォニア州道14番北(CA-14)へ乗り換えましょう。さらに北上してレッドロック・ランズバーグ・ロード(Redrock Randsburg Rd)を右折すると、ガーロック・ロード(Garlock Rd)に合流します。そのまま進んでアメリカ国道395番北(US-395N)を経由し、カリフォニア州道190番(CA-190E)を利用すると公園のメインエリアへ入ることができます。

東のルート
東のルートは、ラスベガスへ行く方法と似ています。ロサンゼルス国際空港からレンタカーで州間高速道路105番北(I-105N)を東へ進み605番に乗り換えて北上します。その後、州間高速道路10番東(I-10E)を進み、15番に乗り換えラスベガス方面へさらに北上し、カリフォニア州道127番北(CA-127N)を使って道沿いに北上するとカリフォニア州道190番との交差点(Death Valley Junction)にあたり、そこを左折して190番沿いを西へ向かうとデス・バレーに到着します。

ラスベガスからのアクセス

ラスベガスからのアクセス ラスベガスからデス・バレー国立公園までは約2時間の距離です。ハリー・リード国際空港からレンタカーで州間高速道路215番西(I-215W)と州間高速道路15番南(I-15S)を経由し、ネバダ州道160番(NV-160W)へ向かいましょう。直進しカリフォニア州道190番西(CA-190W)に入って道なりに進めば、デス・バレー国立公園にたどり着きます。なお、道中ではネバダ州とカリフォニア州の砂漠地帯を横断するため、移動中もアメリカ西部の壮大な景観を楽しめます。

ツアーに参加する

ツアーに参加する 運転に自信がない方や、海外旅行初心者の方はツアーへの参加もおすすめです。デス・バレー国立公園の観光を含むツアーは日帰りから数日間滞在するものまで幅広く、ガイドサービスや食事、特別なアクティビティを楽しめます。さまざまな旅行会社がツアーを用意しているため、しっかりと比較検討をして決めましょう。

デス・バレー国立公園を訪れる際の注意事項

注意事項 デス・バレー国立公園は、日中の気温が40度を超える日もあり猛暑となるため、特に夏の観光は注意しましょう。また暑さ対策のほかにも、注意すべきポイントがいくつかあります。ここでは、デス・バレー観光を安全に楽しむために知っておくと便利な情報を紹介します。

水分補給と日焼け対策が必須

過去に54.4度まで上昇したことがあるデス・バレー国立公園では、歩いているだけで熱中症になる可能性があります。そのため、水分補給ができるよう十分な量の水を常に持参しましょう。そのほかにも日焼け対策が必須です。帽子や日傘をはじめ、涼しい素材やUVカット効果が期待できる長袖の着用をおすすめします。

携帯電話が圏外になりやすい

デス・バレー国立公園ではスマートフォンの電波やGPSが不安定なため、頻繁に圏外になります。また、電波が入ってもGPSが正確でない場合が多く、オフロード(舗装されていない道)を案内されることも。地図に記載のある道以外を走ることは違法となるので注意が必要です。予めビジターセンターで紙の地図を入手し、地図を頼りに目的地を目指しましょう。なお、緊急時の連絡手段としてトランシーバーなどの衛星携帯電話を携行すると安心です。

ガソリンは満タンにしておく

レンタカーの場合、入場前にガソリンを満タンにすることが必須です。広大な砂漠地帯でガス欠になり立ち往生することになると、命の危険にさらされてしまいます。公園内にはガソリンスタンドが2か所ありますが、ガソリン代が高く設定されているため、入場前にガソリンを入れておくとスムーズかつお得です。そのほかにも、タイヤの調子やエンジンオイルなども確認して万全の状態でデス・バレー観光を楽しみましょう。

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