ボーイング社で不正の内部告発が続出 アメリカ議会は安全面の軽視を指摘

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ボーイング社で不正の内部告発が続出 アメリカ議会は安全面の軽視を指摘

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アメリカの航空大手ボーイング社のカルフーンCEOは18日、連邦議会上院からの要請で専門委員による公聴会に出席。今年1月に発生した旅客機の窓枠が吹き飛んだ事故を受けて、現在の管理体制と今後の改善計画を報告しました。公聴会には2018年と2019年に起こった墜落事故の遺族らも出席し、カルフーン氏は改めて謝罪を表明。度重なる事故で利用者から批判が相次ぐ中、社内からは製造に関する内部告発が続出しています。こうした状況を受けてアメリカ上院国土安全保障・政府活動委員会は今回の公聴会を開催し、航空会社側は対応の不備を認め品質向上に努める方針です。
同委員会はボーイング社に対し、「航空会社として最も重要な安全面を軽視している」と叱責。出席した議員からは製造や品質に関する質問が相次ぎ、一部の遺族が詰め寄る場面もありました。カルフーン氏は遺族らに対し、「事故で愛する人を失った方々に改めて深くお詫びを申し上げます。事故は離陸時の失速防止システムの誤作動によるもので、全て当社に責任があります」とコメント。後方の傍聴席にいた遺族に謝罪を述べ、再発防止に取り組む姿勢を強調しました。
一方で委員会の代表は、「不正を告発した社員は上司から報復的な嫌がらせを受けている。今年1月に再び重大な事故を起こしたにも関わらず、本質的に変っていない」と指摘。17日には品質管理を担当する従業員から実名で公聴会に告発があったと述べ、脆弱(ぜいじゃく)な管理体制を厳しく批判しました。部品の損傷や不具合を発見した際は決められたルールでの交換や報告が義務付けられていますが、こうした対応を社内全体で怠っていると告発。部品が欠けた状態で納品された旅客機もあると述べ、自社の品質と管理体制に不安があると訴えています。
また、委員会は2023年6月にFAA(アメリカ連邦航空局)が工場を立ち入り検査した件にも触れ、「適正に保管されていなかった部品を別の場所に隠すよう上司に指示された事例もある」と報告。他にも「生産を急ぐよう上司から圧力があり、別の機体に使う部品や未検査の機材を使用した」 「部品の損傷や不具合の事例をFAAへ報告すべきと上司に訴えたが拒否された」 「専門部署での品質検査を省略していた」などの告発が寄せられています。

参考元:REUTERSBBC NEWSCable News Network