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現地時間の22日夜、NASA(米国航空宇宙局)はアメリカに本社を置く宇宙開発企業“インテュイティブ・マシーンズ”の無人宇宙船が月に着陸し地球との交信に成功したと発表。民間企業としての月面着陸は今回が世界初で、アメリカでは1972年の「アポロ17号」以来およそ50年ぶりとなります。
無人宇宙船ノバC(愛称:オデュッセウス)は今月15日、米国企業“スペースX”が開発したロケットを用いてフロリダ州から打ち上げられ22日午後23時23分に月の南極へ着陸しました。オデュッセウスはNASAの「CLPS」と呼ばれるプロジェクトの一環として製造を開始。月面に物資を輸送する手段を民間企業に委託した初の試みで、今後は米国企業10社余りと提携し2028年までに最大26億ドル(約3,910億円)の資金提供を行うと述べました。NASAは日本やヨーロッパの同盟国と協力して月に宇宙飛行士を派遣する「アルテミス計画」を進めており、輸送手段の開発を民間に委ねることで同計画に注力する方針です。
オデュッセウスを製造したインテュイティブ・マシーンズ社は今回の無人宇宙船について、「高さ4.3メートル、直径は1.6メートルで最大130キログラムの物資を運搬できる」と説明。着陸地点が氷に覆われているため通信状況は悪く、搭載した観測機器などの損傷について確認を進めています。同社のアルテムスCEOは、「とても心配したが月面に着陸できて安心した。与えられたミッションを遂行するまでしっかりと見守りたい」とコメント。NASAのネルソン長官も着陸直後に会見を開き、「アメリカは月に戻ってきた。今後も宇宙開発はさらなる発展を遂げるだろう」とチームに賛辞を送りました。
これまで月への着陸に成功した国はアメリカのほか、旧ソ連、中国、インド、日本の5か国のみとなっています。今年1月には米国内における他の民間企業が月に向けて探査機を打ち上げましたが、NASAの幹部は「燃料漏れが発生して失敗に終わった」と報告。ロシアは2023年に月へ一時軌道に乗った無人宇宙船が地表に激突して以来、開発計画が滞っています。一方の日本は今年1月、JAXA(宇宙航空研究開発機構)による小型無人探査機SLIM(スリム)が初めて月面への着陸に成功。また、中国は宇宙船やロケットの開発が目覚ましくアメリカとは異なる独自の探査に意欲を示しています。
更新日 : 2024年4月29日
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