アメリカ軍がフーシ派の基地を爆破 11日に続く攻撃で中東情勢はさらに緊迫化

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アメリカ軍がフーシ派の基地を爆破 11日に続く攻撃で中東情勢はさらに緊迫化

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現地時間の13日未明、アメリカ軍はイエメンに拠点を置く親イラン武装組織“フーシ派”のレーダー基地を爆破したと発表。アメリカ・イギリス両軍は11日にもフーシ派の支配地域を空爆し、今回が二度目の攻撃となります。米国統合参謀本部のシムス中将は会見を行い、「今回の戦闘は11日と比べてかなり小規模で、米軍単独で攻撃を行いました。フーシ派はミサイル1発を発射しましたが、大きな被害はありません」とコメント。戦闘の拡大を避けたいと述べる一方、紅海での国際貿易を守るため引き続き巡警(じゅんけい)を強化すると述べました。
一連の報告を受けたバイデン大統領は、「我々の攻撃は成功した」と成果を強調。11日の攻撃は自らの指示でフーシ派が支配する28地域内60か所の軍事施設を爆破し、敵側の攻撃能力を著しく低下させたと述べました。同日の攻撃はイギリス軍と共同で行い、オーストラリア・カナダ・バーレーンからも支援を得たと説明。航空機のほか潜水艦や軍艦から巡航ミサイル“トマホーク”による砲撃を行いましたが、民間人への被害は報告されていません。また、イギリスのスナク首相も紅海で各国の商船に危害を加えるフーシ派の行為を激しく非難。「米英両軍による攻撃は、必要かつ適切な判断」との声明を発表しました。
一方のフーシ派は11日の戦闘で5人が負傷したと主張し、アメリカとイギリスに対する報復と紅海での商船攻撃の継続を表明。これを受けてバイデン氏は、「今後もフーシ派が暴挙を続けるならば、我々は完璧な戦略を以て対処する」と応戦の姿勢を示しました。
昨年10月7日から続くイスラエル軍とイスラム組織ハマスとの戦闘が始まって以来、アメリカ軍によるフーシ派への攻撃は今回が初となります。今月9日には紅海でフーシ派から過去最大の攻撃があり、イエメン近海で多くの商船が停滞。事態を重く見たアメリカのブリンケン国務長官は、「海の安全を脅かす行為を決して許すべきではない」と述べ報復措置を示唆していました。

親イラン武装組織“フーシ派”とは

フーシ派とは、イエメンのイスラム教シーア派に属する勢力を指します。イランが後ろ盾となり、同国が主導する「抵抗の枢軸」として2004年頃から活動を開始。イスラム組織ハマスやヒズボラと共闘し、イスラエルのほかアメリカを含む西側諸国と戦闘を行う武装組織を自認しています。正式な呼称は“アンサール・アッラー”で、アブドルマリク・アル・フーシ氏が現指導者として組織を統率。「アッラーは最も偉大なり!アメリカに死を、イスラエルに裁きを、ユダヤ教徒に呪いを、イスラムに勝利を」をスローガンに掲げ民主制国家と対立しています。

参考元:BBC NEWSCable News NetworknprThe Guardian