アメリカ俳優労働組合がハリウッドでストライキを決行 数千人の俳優・脚本家が参加

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アメリカ俳優労働組合がハリウッドでストライキを決行 数千人の俳優・脚本家が参加

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アメリカの俳優たちによる組織SAG-AFTRA(映画俳優労働組合)は14日、ロサンゼルスのハリウッドとニューヨーク市内で数千人が参加する大規模なストライキを決行。動画配信企業や映画制作会社などに対し、公正な利益の分配と契約条件の改善を求めました。ストライキにはアカデミー賞を受賞した俳優スーザン・サランドンさんや人気テレビ俳優ジェイソン・サダイキスさんも加わり、大勢の支援者らとデモ行進に参加。企業側と俳優組合の交渉は長引くとみられ、要求が認められない限りストライキは年末まで続くと予想されます。
ハリウッドでは5月からWGA(アメリカ脚本家労働組合)によるストライキが行われ、賃金と労働条件の改善を求めています。また、AI(人口知能)の進歩により従来の仕事が激減すると危惧しており、脚本家らは映画製作会社の保障が不十分であると主張。俳優・脚本家組合による同時ストライキは63年ぶりで、制作中の作品や公開を控えた映画の宣伝活動にも影響が出ています。
ストライキの背景にはデジタル配信への移行に対する懸念や、様々な技術参入により人的労力の軽視を防ぐ狙いがあると組合側は説明。ニューヨークのストライキに参加したスーザン・サランドンさんは、「AIはあらゆる人と職業に影響を与えます。将来に備えた仕組みやルールを私たちが作らなければ、若い俳優や脚本家たちは今後大変な思いをするでしょう。現在のトップダウンによる体制では何も変わりません。未来の映画業界は私たちにかかっています」と強い意志を訴えました。
ストライキ当日は約16万人の映画関係者が仕事を中断し、数千人の俳優らがデモ会場へ移動。WGAには1万1,500人の脚本家が加入しており、14日正午には組合員と支援者がハリウッドとニューヨークの主要スタジオや大手動画配信会社のオフィス前に集合し一時騒然となりました。
ストライキの影響により一部で新作公開イベントは中止が決まり、来年公開予定の作品は撮影の延期などが相次いでいます。18日にはニコール・キッドマン出演の新作ドラマ「スペシャル・オプス・ライオネス」の公開イベントがロサンゼルスで行われる予定でしたが、俳優らが労働組合を支持する意向を表明し中止が決定。来年公開予定のトム・クルーズ主演映画「ミッション・インポッシブル」の続編や、「デッドプール3」「グラディエーター2」の撮影は一時中止を発表しました。現時点で双方の交渉は決裂しており、9月にアメリカで行われるエミー賞受賞式はストライキの動向により延期も予想されます。
こうした動きを受け、バイデン大統領はホワイトハウスを通じて14日に声明を発表。「俳優を含む全てのスタッフは、公正な賃金と福利厚生を受けるべきである」との考えを示しました。ホワイトハウスのロビン・パターソン報道官は、「政府は就労者のストライキを行う権利を支持し、双方にとって互恵的な合意を望んでいる」とコメント。将来を見据えた様々な事情に理解を示し、今後の動向を注視するとしています。

参考元:BBC NEWS