偵察用気球を東海岸上空で米軍機が撃墜 中国側はアメリカの対応を激しく非難

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偵察用気球を東海岸上空で米軍機が撃墜 中国側はアメリカの対応を激しく非難

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オースティン米国防長官は4日、アメリカ本土上空を飛行する中国の偵察用気球(スパイバルーン)を米軍機が午後2時39分にサウスカロライナ州沖の上空で撃墜したと発表。アメリカ領空への侵入後からF22ステルス戦闘機が追跡し、4日にバイデン大統領の指示によりスパイバルーンを撃ち落としました。
ミサイル発射にあたり、FAA(連邦航空局)は周辺のノースカロライナ州ウィルミントン、サウスカロライナ州チャールストンとマートルビーチの各空港に飛行禁止命令を発出。オースティン氏は撃墜後の会見で、「大統領から撃墜によって気球の破片が地上へ落下しないよう配慮すべきとの指示を受け、海上へ抜けるまで待機し安全を確認した上で遂行しました」と述べました。
また、「スパイバルーンの追跡中に、装備や仕様に関する分析を行った」と説明。撃ち落とした気球は予想より水深の浅い場所で沈み、アメリカ海軍と沿岸警備隊が回収作業を行いました。スパイバルーンに搭載されていた情報収集装置はバージニア州のFBI(連邦捜査局)研究所へ移送され、さらに詳しい調査を進めるとしています。
中国のスパイバルーンは、1月28日にアラスカ州アリューシャン列島付近のアメリカ防空識別圏に侵入。30日にカナダ領空を抜けたのち31日に再びアイダホ州のアメリカ領空へ飛来し、モンタナ州などから肉眼でも確認されていました。詳細は「モンタナ州上空に中国の偵察用気球 数日前からアメリカ領空に飛来し米軍機が追跡中」をご確認ください。

中国外務省が気球の撃墜に「猛烈な不満と抗議」を表明 アメリカへの対抗措置も示唆

一方、中国外務省はアメリカが気球を撃墜した報告を受けて5日に声明を発表。「明らかに過度な対応で国際的な慣例に反する行為であり、アメリカ政府に対し猛烈な不満を伝え抗議を行う」と反論しました。また、「撃墜された気球は気象調査を目的とした民間企業のもので、偏西風の不可抗力により誤ってアメリカ領空へ入ってしまった。完全に不測の事態だと何度も伝え謝罪したにも関わらず、武力を行使したアメリカを激しく非難する」とコメント。中国は正当で国際的な権益を断固として守り抜くと述べ、アメリカへ対抗措置をとる姿勢を示しました。
5日にはアメリカのブリンケン国務長官が北京を訪問し、外交トップによる4年ぶりの会談を行う予定でした。しかし、この問題を受けてブリンケン氏は急きょ訪中の延期を表明。中国側が報復的な対抗措置を行った場合、今後の米中関係における関係悪化の加速が予想されます。

参考元:Cable News NetworkABC7 Chicago