アメリカFRBが2会合連続で利上げを見送り 政策金利は22年ぶりの高水準に

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アメリカFRBが2会合連続で利上げを見送り 政策金利は22年ぶりの高水準に

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アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は1日、今後の金融政策を協議する委員会で政策金利の見送りを決定。金利の据え置きは2会合連続で、誘導目標は5.25~5.5%と22年ぶりの高水準に達しています。FRBのパウエル議長は会合後の会見で、「経済への影響を慎重に見極める必要があると判断した」と説明。急激な住宅価格の高騰などインフレは収束の兆しが見えず、年内における利上げの局面は終盤を迎えました。
FRBは昨年3月、これまでのゼロ金利政策を解除し利上げを開始。金融の引き締めにより景気を安定させ、インフレを抑える狙いで進めてきました。しかし、その後もインフレは続き、昨年6月の消費者物価指数は前年同月比で9.1%の上昇を記録。およそ40年ぶりの高水準となり、物価高を抑制するため4回連続0.75%の大幅な利上げは市民生活に大きな影響を与えています。
今年9月の消費者物価指数は、前年同月と比べ3.7%上昇。ピークの9.1%から鈍化傾向にありますが、燃油価格の上昇などでFRBが目標とする2.0%を大きく上回りました。また、7~9月期のGDP(国内総生産)も前期比4.9%の上昇を示し、コロナ禍から回復したアメリカ経済の強さが報告されています。一方で、急速な利上げの影響で市場金利は大幅に上昇。住宅ローンや企業向けローンの金利が高騰し、アナリストらは今後の景気減速に警鐘を鳴らしています。
FRBは今年6月の協議で11会合ぶりに利上げを見送り、インフレの加速を防ぐため7月に0.25%の追加金利政策を実施。9月の報告では年内中に1回の利上げを示唆しており、次の会合にて政策金利の変更が発表される見込みです。パウエル議長は今回の会合を終えて、「労働市場は未だひっ迫しているが、需要と供給のバランスは改善傾向にある。失業率は3.8%と低い水準が続き、賃金の上昇も安定の兆しが見えてきた」とコメント。今後発表される消費者物価指数などの経済データを踏まえて協議を行い、総合的かつ慎重に金利政策を判断すると述べました。

参考元:REUTERSCNBCThe Associated Press.