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現地時間の10月2日、スウェーデンの首都ストックホルムに本部を置くノーベル財団は今年度の受賞者について言及。新型コロナウイルスワクチンの開発に多大な貢献をしたペンシルベニア大学の教授2人に、ノーベル生理学・医学賞を授与すると発表しました。両氏は共にハンガリー出身で、ファイザー社やモデルナ社に代表されるmRNA(メッセンジャーRNA)型ワクチンの基礎技術を開発。賞選考委員会は、「前例のないスピードでワクチンを実用化し多くの命を救った」と功績を高く評価しています。
受賞したカタリン・カリコ氏とドリュー・ワイスマン氏は、同日に大学構内で会見を開催。電話で受賞の報せを受けたカリコ氏は、「誰かが冗談を言っていると思い信じられませんでした。本当に感激です」と驚きと喜びをあらわにしました。一方のワイスマン氏は、「ノーベル賞は科学者にとって最高の名誉であり、長年の協力によって受賞できたことを誇りに思います」とコメント。2人は受賞につながる共同研究を1998年から始め、評価されるまで25年もの歳月がかかったと述べました。また、開発当時の科学界はDNA技術と遺伝子治療の発展が目覚ましく、「我々の研究は全く注目されなかった」と述懐。特にmRNAを専門としていたカリコ氏は研究費用の援助申請に何度も失敗し、ペンシルベニア大学での常勤教授を離職した苦い経験を持ちます。同氏は探究心を持ち続けた理由について、「受賞や報酬のためではなく、いつか世に役立つ技術開発を常に考えていました」と説明。免疫学が専門のワイスマン氏との研究はいつも新たな発見があり、学び合う楽しさと信頼関係を大切にしてきたと振り返りました。研究開始から7年後の2005年には、mRNAの構造改変に関わる重要な法則を発見。2020年に感染が拡大した新型コロナウイルスのワクチンで実用化が認められ、現在も世界中で接種が推奨されています。
一方、ノーベル賞選考委員会より連絡を受けたWHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は、2日に自身のSNSを更新。「長年にわたる両氏の地道な研究が、画期的なmRNAワクチンの開発を可能にしました。多くの人命を救った2人の努力に心から感謝します」と投稿し功績をたたえました。
mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンは注射により、ウイルスのタンパク質となる遺伝情報の一部を体内へ送り込みます。「スパイクたんぱく質」と呼ばれるウイルスの表面にある突起に作用し、体内で生産される抗体が免疫効果を発揮。製薬会社のファイザーやモデルナが採用し、新型コロナウイルスに抗う遺伝物質“mRNA”を体内に伝播させる技術が特長です。今回ノーベル生理学・医学賞を受賞したカリコ氏とワイスマン氏は、人口的に設計したmRNAを医薬品として使用する基礎技術を開発。mRNAは長らく医薬品への応用が期待されていましたが、投与した際に体内で炎症を引き起こす副作用が課題でした。この課題に対応すべく両氏は研究を重ね、2005年の論文で炎症反応を抑える改変技術を発表。その後も臨床試験を繰り返し、アメリカではパンデミックの発生から9か月後にmRNAワクチンの緊急使用許可が認められ接種を開始しました。
アメリカ各州の感染者数は「米国内の新型コロナウイルス感染状況」をご確認ください。
更新日 : 2023年12月5日
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