アメリカの一部政府機関が閉鎖危機 9月末までに新年度予算の成立は困難か

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アメリカの一部政府機関が閉鎖危機 9月末までに新年度予算の成立は困難か

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アメリカ連邦議会は、10月1日から始まる新年度の会計予算をめぐり協議が難航。臨時的な歳出措置とする「つなぎ予算」の成立に向けて調整を行っています。期限とする9月30日深夜までの予算成立は困難とみられ、10月1日以降は一部政府機関の閉鎖と職員の一時帰休が決定的となる見通しです。緊急性が低い部局の政府職員や軍の兵士は当面のあいだ無給が余儀なくされ、バイデン大統領は混迷が続く議会に対し苦言を呈しました。
バイデン氏は28日にアリゾナ州で行った演説で、「過激な野党議員は国民のために尽くしているのではなく、政府の閉鎖に執着している」とコメント。トランプ前大統領を支持する共和党の保守強硬派議員らを厳しい口調で批判しました。また、国務省のミラー報道官は同日の会見で、「我々は政府機関が閉鎖した場合の対応策について検討している」と説明。安全保障において継続すべき部局や、必須と捉える業務の選定を進める方針です。
新年度の予算については今年5月、バイデン大統領(民主党)とマッカーシー下院議長(共和党)が国防費を除く歳出規模を前年度(2023年)並みに抑制することで合意。財政拡張を推進する与党と緊縮財政を求める野党の双方が譲歩し、歳出抑制方針を含む法案を可決しました。しかし、一部の保守強硬派は合意内容を上回る大幅な歳出削減を議会に要求。マッカーシー氏は同党の保守強硬派に配慮せざるを得ず、下院議会での協議は行き詰まりが続いています。
一方、議会上院は26日の「つなぎ予算」に関する協議で、支出を11月17日までとする条件付きで超党派が承認。予算には保守強硬派が反対する60億ドル(約8,900億円)のウクライナへの追加支援が含まれているため、議会下院では同派議員からの激しい反発が予想されます。
過去にはトランプ前政権時代の2018年12月~2019年1月に同様の事態が起こり、一部の政府機関や国立公園が閉鎖され観光業など各方面に影響が生じました。次回の協議で与野党が合意に至らなかった場合、「金融政策に影響を与える消費者物価指数など経済指標の発表は、当面にわたり停止するだろう」とアナリストらは予測。市場の混乱は避けられないと指摘し、「つなぎ予算」の成立と保守強硬派の動向が焦点となっています。

参考元:BloombergBBC NEWS