ニューメキシコ州で18歳による銃乱射事件 相次ぐ惨事にアメリカ政府が強い懸念

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ニューメキシコ州で18歳による銃乱射事件 相次ぐ惨事にアメリカ政府が強い懸念

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現地時間の15日午前、ニューメキシコ州北部の町ファーミントンで銃乱射事件が発生。先住民のナバホ族が居住する人口約4万6,000人の閑静な住宅街で、18歳の少年が突然銃を発砲しました。地元警察は事件について、「容疑者は歩きながら無差別に銃を発砲し、市民3人の死亡と警察官2人を含む6人の負傷を確認した」と発表。容疑者の少年は駆けつけた警察官によって狙撃され、その場で死亡が確認されました。
ニューメキシコ州のミシェル・ルジャン・グリシャム知事は、「銃による犯罪は私たちの州や国を破滅へと追い込んでいます。警察などあらゆる機関と連携し、これ以上銃による被害者を出さないよう対策を講じる必要があります」とコメント。ファーミントン警察のスティーブ・ヘッブ署長はFacebookに投稿したビデオメッセージで、「単独犯による無差別な犯行とみられますが、今のところ動機は不明です」と説明しました。事件直前には黒い服を着た容疑者の少年が、教会近くの車道で銃を乱射する様子が動画投稿アプリで確認されています。ファーミントンでは2017年にも銃で高校生2人が殺害され容疑者が自殺する事件が起きており、地元警察は未成年による銃犯罪の防止に取り組む方針です。

アメリカ国内で多くの犠牲者を出した凶悪な銃乱射事件

アメリカ国内で犯人を除き、10人以上の死亡者が確認された事件のワーストランキングは以下の通りです。(2023年5月時点)
※順位・事件名称・(発生年)・死者数の順で記載

1位:ラスベガス・ストリップ広場銃乱射事件(2017年)

ネバダ州で2017年10月1日、マンダレイベイリゾート・アンド・カジノホテル32階の窓から、スティーブン・パドック(64歳)がラスベガス・ストリップ広場にいた群衆に向けて散弾銃を乱射。当時広場ではカントリーミュージックの音楽祭が開かれており、2万人を超える観客が広場に詰めかけていました。59人の死亡と546人が負傷する大惨事となり、犯人はその場で自殺しています。

2位:オーランド銃乱射事件(2016年)

フロリダ州で2016年6月12日、同性愛者向けのパーティーが行われていたナイトクラブ“パルス”で銃乱射事件が発生。複数の銃やライフルを持ったオマル・サディーキ・マティーン(29歳)が乱入し、約320人が集まった店内で無差別に銃を発砲。犯人は人質をとって店内に立てこもりましたが、突入した警察により射殺されました。50人の死亡と53人の負傷が確認され現場は騒然となりましたが、詳しい動機は分かっていません。

3位:バージニア工科大学銃乱射事件(2007年)

2007年4月16日、バージニア州バージニア工科大学4年生チョ・スンヒ(23歳)が、同校の学生寮で男女2名を射殺。その後800メートル離れた講義棟の教室に侵入し、鍵をかけて教員と生徒に向けて無差別に発砲を繰り返しました。死者32人(教員5人・学生27人)のほか23人が負傷し、犯人はその場で自殺しました。

4位:サンディフック小学校銃乱射事件(2012年)

コネチカット州で2012年12月14日、アダム・ランザ(20歳)がサンディフック小学校に併設された幼稚園の元教諭の母親を自宅で射殺。その後、同小学校に乱入し100発以上の銃弾を乱射しました。27人の死者と1人の負傷者を出し、犯人は現場で自殺しています。使用した2丁の拳銃は母親が購入したものでした。

5位:サザーランドスプリングス教会銃乱射事件(2017年)

テキサス州で2017年11月5日、防弾チョッキで武装したデビン・パトリック・ケリー(26歳)が教会前でライフル銃を乱射。その後50人が祈祷する教会内部に乱入し、朝の礼拝中だった市民を次々に射殺しました。死者26人のほか20人が負傷し犯人は警察官と銃撃戦を経て逃走しましたが、その後死亡が確認されました。

6位:ルビーズ銃乱射事件(1991年)

1991年10月16日、テキサス州キリーンで銃撃事件が発生。ジョージ・ヘナード(35歳)が自身のトラックを運転し、ルビーズ・カフェのガラスを突き破り店内へ侵入。「ベル郡に対する復讐だ」と叫びながら100発以上の銃弾を発砲しました。23人の死者と20人の負傷者を出し駆けつけた警察官と銃撃戦となりましたが、犯人はトイレに逃げ込み自殺しました。

7位:エルパソ銃乱射事件(2019年)

2019年8月3日、メキシコ国境に近いテキサス州エルパソ・ショッピングモールで銃乱射事件が発生。土曜日で大勢の市民が訪れており、事件発生時は周辺がパニック状態となりました。犠牲者の大半はモール内のウォルマートで凶弾に撃たれ、22人の死亡と24人の負傷者を確認。容疑者の白人男性パトリック・クルシウス容疑者(21歳)は犯行の動機について、ヒスパニック系移民に対するヘイトクライム(憎悪犯行)であると供述しています。

8位:サン・イシドロ・マクドナルド銃乱射事件(1984年)

1984年7月18日、カリフォルニア州サンディエゴのサン・イシドロ地区で定職につけず自暴自棄になっていたジェイムズ・ヒューバティ(41歳)が銃を持ってマクドナルドに乱入。犠牲者のほとんどはヒスパニック系で、店長を含む21人の死亡と19人の負傷者を出す惨事となりました。犯人は駆けつけたSWATの隊員により狙撃され、その場で死亡が確認されました。

9位:ロブ小学校銃乱射事件(2022年)

2022年5月24日、サルバドール・ローランド・ラモス(18歳)はテキサス州ユルバディの自宅で卒業について言い合いになった祖母の額を撃ってトラックで逃走。その後侵入したロブ小学校で銃を乱射し、21人が死亡し18人が負傷しました。犯人は事件を起こす15分前、「学校で銃を発砲する」と3回にわたり自身のFacebookに投稿。通報を受けた地元警察が事件現場に急行し、犯人は駆けつけた警察官に銃で撃たれ死亡しました。

10位:テキサスタワー銃乱射事件(1966年)

1966年8月1日、チャールズ・ジョセフ・ホイットマン(25歳)は母校であるテキサス大学オースティン高校の時計台に侵入。受付嬢や見学客を次々に射殺し、高さ90メートルの建物内に立てこもり眼下の人間を無差別に狙撃しました。地上からの銃撃が困難と判断した警察は、地下道から建物内に侵入して犯人を射殺。17人の死亡と31人が負傷する惨事となりました。

10位:マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校銃乱射事件(2018年)

2018年2月14日、フロリダ州ブロワード郡パークランドのマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で銃撃事件が発生。退学処分になっていた当時19歳のニコラス・クルーズがライフルを持って学校内に侵入し、火災報知機を作動させて飛び出してきた生徒や職員に向けて次々と発砲しました。17人の死亡と17人が負傷し犯人はライフルを捨て逃走しましたが、その後逮捕され現在は拘束中です。この事件を受けて、フロリダ州では銃の購入可能年齢が引き上げられました。

相次ぐ銃乱射事件に対しバイデン氏が声明を発表

バイデン大統領は7日、テキサス州の商業施設で8人が犠牲になった銃乱射事件を受けて銃規制強化の必要性を訴える声明を発表。反対論が強い野党(共和党)に対し、殺傷力の強い銃所持を禁止する法案成立に向けて協力を呼びかけました。声明では21歳未満の銃購入者に対する身元確認の厳格化を盛り込んだ銃規制強化法(昨年6月に成立)に触れ、「銃に関する規制はまだ十分ではない。市民の命を救うため、もっと多くの行動を起こす必要がある」と相次ぐ銃犯罪に懸念を示しました。
米国司法省のデータによると、アメリカ政府は危険を及ぼす人物から銃器を押収する“レッドフラッグ命令”や21歳未満に銃器の販売を禁止する身元調査システムに2億3,000万ドル以上を投入。この規制強化により密売と違法購入で60人以上を起訴し、数百丁の銃を押収しました。保健福祉省と教育省は学校での安全性を高め、若者を銃犯罪から守るため15億ドル以上の予算を計上しています。
また、バイデン氏は14日もホワイトハウスを通じて銃犯罪に関する声明を発表。「私は銃犯罪を撲滅させるため、あらゆる手段に取り組みます。子供たちは銃撃犯から身を守る方法を学び、映画館やレストランでは避難訓練を行っていますが本来あるべき姿ではありません。銃による凶悪事件は全世代の国民に影響を与えており、議会は安全な社会の実現と抜本的な問題解決に向けた法案を早急に策定すべきです。銃犯罪の増加に目を背けることなく、この問題は我々の世代で解決しなければなりません」と述べ、さらに安全対策を強化する方針を強調しました。

参考元:CNNUSA Today