ファースト・リパブリック銀行が倒産 アメリカ史上2番目規模の銀行経営破たん

スマホでESTA申請はこちら 出発の72時間前までにお願いします
Menu

ファースト・リパブリック銀行が倒産 アメリカ史上2番目規模の銀行経営破たん

  • アメリカ
  • カリフォルニア州
  • デジタル・バンク・ラン
  • 経営破たん
  • 金融不安

更新日 : 配信日 :

【アメリカ国内の新型コロナウイルス最新情報はこちら】

FDIC(米国連邦預金保険公社)は5月1日、経営が不安視されていたファースト・リパブリック銀行(FRB)について言及。FDICが国選管財人となり、大手銀行JPモルガン・チェースが全ての預金や資産を引き継ぐ契約を締結したと発表しました。ファースト・リパブリック銀行の総資産額は約2,291億ドルで、預金総額は1,039億ドルと推計。金額面では3月に倒産したシリコンバレー・バンク(SVB)を上回り、アメリカ国内における銀行の経営破たんとしては過去2番目の規模となります。
全米8つの州にあるFRBの84店舗は、5月1日よりJPモルガン・チェースの店舗として営業を再開。シリコンバレー・バンクが破たんした際は買収先の決定が難航しましたが、今回は事前の入札制度によりJPモルガン・チェースが引き継ぎ先として名乗りを上げていました。当日のニューヨーク株式市場ダウ平均株価は前日比0.1%程度の小幅な下落にとどまりましたが、2日は銀行株を中心に売り注文が膨らみ一時600ドルを超える大幅な値下がりを記録。当面は銀行株の変動が続くと予想されます。

破たんした銀行の共通点「デジタル・バンク・ラン」とは?

今年破たんした3銀行(シリコンバレー・バンク、シグネチャー・バンク、ファースト・リパブリック銀行)は、「デジタル・バンク・ラン」と呼ばれる現象が共通点として大きく影響しています。金融不安から預金の引き出しを求めて、顧客が銀行の店舗に押しかける「取り付け騒ぎ」が発生。SNSを通じて銀行の経営不振の噂が一瞬にして世界中に拡散され、同時にオンラインでの預金引き出しが頻発しました。この一連の流れをアメリカのメディアは、「デジタル時代の取り付け騒ぎ=デジタル・バンク・ラン」と呼称。今回のファースト・リパブリック銀行における金融不安から破たんまでの期間は、桁違いの速さであったと専門家は指摘しています。
バイデン大統領はアメリカ史上2番目の規模となった銀行破たんについて、「FDICがファースト・リパブリック銀行の売却を迅速に進めたことで、顧客が所有する全ての預金を保障できた」とコメント。銀行システムの安全性を確保するため早期に措置を講じたと述べ、金融不安に対する払しょくを呼びかけました。
また、アメリカ国内でこれまでに破たんした銀行の資産規模は以下の通りです。(2023年5月時点)

1位:ワシントン・ミューチュアル(ワシントン州) 約3,070億ドル(2008年)
2位:ファーストリパブリック・バンク(カリフォルニア州) 約2,291億ドル(2023年)
3位:シリコンバレー・バンク(カリフォルニア州) 約2,090億ドル(2023年)
4位:シグネチャー・バンク(ニューヨーク州) 約1,180億ドル(2023年)
5位:コンチネンタル・イリノイ国立銀行(イリノイ州) 約400億ドル(1984年)
6位:ファーストリパブリック・バンク・コーポレーション(テキサス州) 約320億ドル(1988年)
7位:アメリカ貯蓄貸付協会(カリフォルニア州) 約300億ドル(1988年)
8位:ニューイングランド銀行(マサチューセッツ州) 約210億ドル(1991年)
9位:インディマック・バンク(カリフォルニア州) 約320億ドル(2008年)
10位:バンクワン・コーポレーション(テキサス州) 約180億ドル(1989年)

参考元:ReutersCNNBloomberg