アメリカ・カリフォルニア州で今年4度目の銃乱射事件　過去1週間で22人が死亡

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アメリカでは今年に入り、各地で銃を使用した事件が多発しています。特にカリフォルニア州では悲惨な事件が続き、過去1週間で4件の銃乱射事件により22人が死亡しました。非営利団体「ガン・バイオレンス・アーカイブ」によると、過去3週間以内に国内で39件の銃撃事件が発生し計69人が死亡。同団体では4人以上が死傷した事件を「重大な銃乱射事件」と定め、相次ぐ事件に銃規制の強化を訴えています。
これまでにカリフォルニア州内で発生した4件の銃乱射事件に関する概要は以下の通りです。

1月28日：ロサンゼルス郊外のビバリークレストで3人が死亡・4人が負傷
1月28日午前2時半過ぎ、ロサンゼルス郊外のビバリークレスト地区で銃乱射事件が発生。3人が死亡し4人が重軽傷を負いました。亡くなった3人は男性2人女性1人で、自家用車の中で死亡を確認。負傷した4人は住宅前で倒れていたところを救急搬送され、現在も治療を受けています。
現場は高級住宅地ビバリーヒルズに接する地域で、コンドミニアムでのホームパーティー中に事件が発生したと地元警察は説明。銃声を聞いた住民の目撃情報により容疑者の車両ナンバーが特定され、検問所で22歳の男が殺人および殺人未遂容疑で逮捕されました。被害者の7人は20～30代の若者で、悲惨な事件が起こった現場には友人や地元住民らが献花に訪れています。

1月23日：サンフランシスコ湾岸のオークランドで1人が死亡・7人が負傷
1月23日午後6時過ぎ、オークランドのガソリンスタンドで銃撃事件が発生。数人の間で銃の撃ち合いがあり、1人が死亡し7人が重軽傷を負いました。現場には銃撃での薬きょうが残っていましたが、当事者らは事件の発覚を恐れてその場から逃走。警察が行方を追っていたところ、複数の病院から銃で撃たれた患者が駆け込んできたとの通報を受け事件が明るみとなりました。重軽傷を負った7人の容体は安定していますが、銃撃により18歳男性1人の死亡が報告されています。
オークランドはサンフランシスコの対岸から東におよそ13キロの位置にある港湾地域で、人口約42万の都市です。カリフォルニア州では8番目に人口が多く、ベイエリアの経済と文化を担う中核都市として知られています。

1月23日：サンフランシスコ郊外のハーフムーンベイで7人が死亡・1人が重体
1月23日午後2時過ぎ、サンフランシスコ郊外のハーフムーンベイ市で銃乱射事件が発生。市内2か所で元同僚7人を銃撃して死亡させた容疑で、警察は67歳の男を逮捕しました。全ての被害者は農業関連の仕事に従事する中国系アメリカ人で、犯人とは顔見知りであったとみられます。容疑者の男は過去2か所の職場で働いており、労働条件や人間関係に不満があったと供述。警察は犯行に使用した半自動小銃を男の車から押収し、容疑者は取り調べで犯行を認めています。
ハーフムーンベイ市はサンフランシスコから南へ45キロの位置にある人口約12,000人の小さな街で、残虐な事件の発生に地元では不安の声が広がっています。詳細は「アメリカ・カリフォルニア州でまた銃乱射事件　7人が死亡し67歳の男を逮捕」をご確認ください。

1月21日：ロサンゼルス郊外のモントレーパークで11人が死亡・9人が負傷
ロサンゼルス郊外のモントレーパークで1月21日午後10時過ぎ、中国の旧正月(春節)を祝うイベント会場で銃乱射事件が発生。11人が死亡し、9人がケガを負いました。警察が容疑者の行方を捜査していたところ、現場から約50キロ離れた場所で自殺を図り死亡を確認。犯人はアジア系とみられる72歳の男で、警察は元妻に強い恨みを持った犯行と断定し容疑者死亡のまま書類送検しました。
モントレーパークはロサンゼルス中心部から東に15キロほど離れた地域で、事件は市民や観光客で賑わうダンススタジオで起こりました。人口はおよそ6万人で、アジア系が住民の約65%を占めています。詳細は「アメリカ・ロサンゼルス郊外で銃乱射事件　11人が死亡し容疑者のアジア系男性が自殺」をご確認ください。

与党(民主党)は相次ぐ事件を受け銃の規制強化を訴えていますが、連邦議会下院は銃保有の権利を主張する野党(共和党)が過半数を占めています。銃規制の強化に野党側は難色を示し、法案の成立は今のところ目途が立っていません。また、上下両院で多数派が異なる「ねじれ議会」により、抜本的な銃規制の改革は時間がかかるとみられます。

参考元：npr・ABC News