12日に米ウクライナ首脳会談開催へ　ゼレンスキー氏はアメリカに支援継続を要求

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アメリカ政府は10日、ウクライナのゼレンスキー大統領をホワイトハウスへ招き12日に首脳会談を行うと発表。ゼレンスキー氏のアメリカ訪問は3度目となり、軍事費用を含む支援継続を訴える見通しです。バイデン大統領は引き続きウクライナへの支援を表明していますが、決められた予算は年末で枯渇するため政府側は議会に対し緊急支出の承認を要請。一方で野党(共和党)の保守強硬派らは軍事支援の継続に強く反発しており、審議は難航が予想されます。
ホワイトハウスのジャンピエール報道官は、「ゼレンスキー氏は11日に米国入りし、12日は首脳会談のほか上院本議会で演説を行う」とコメント。議会での演説はシューマー議長(民主党)と、マコネル上院院内総務(共和党)による招聘(しょうへい)と説明しました。ゼレンスキー氏はジョンソン下院議長(共和党)とも会談を行う予定で、現政権が掲げる「米国の揺るぎない関与」を確認する方針です。
首脳会談を控えたバイデン大統領は、「ゼレンスキー氏の訪問を心から歓迎する」と表明。会談ではロシア侵攻を制御する防空システムの共同生産など、軍事政策の強化を中心に協議を行う意向を示しました。バイデン政権はウクライナに対し600億ドル(約8兆7,300億円)の追加予算を緊急承認するよう上下両院に求めていますが、議会下院では野党議員が審議をボイコットするなど混乱が続いています。6日に議会上院で投票が行われたウクライナへの支援金を含む支出法案は、49対51の僅差で否決されました。法案に反対の野党議員は、「他国の支援を優先するのではなく、移民問題など米国内の政策に予算を投じるべき」と主張。南米からの不法移民が急増しているテキサス州やフロリダ州の国境警備を強化し、アメリカの雇用と経済を守る必要があると指摘しています。
国際的な格付けを行う“ムーディーズ・インベスターズ・サービス”は今年11月、財政の健全性や政治的な分断を理由にアメリカの信用ランクを1段階引き下げました。また、パレスチナ自治区ガザでハマスと戦闘を続けるイスラエルへの支援を表明した現政権の意向に賛否が分かれ、アメリカでは自国の安全保障を強化すべきとの声が高まっています。

参考元：Cable News Network、BBC NEWS