「人質解放の合意は近い」　アメリカ政府とイスラム組織ハマスが同じ声明を発表

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バイデン大統領は20日、パレスチナ自治区ガザを実行支配するイスラム組織ハマスに拘束されている人質について言及。「解放に向けた合意は近いと確信している」と成果を強調し、ハマス側との交渉進展を発表しました。また、NSC(米国家安全保障会議)のカービー戦略広報調整官も別の場で会見を開き、同様の見解を表明。現時点で十数人の米国市民を含むおよそ230人が拘束され、カタールによる仲介のもとハマスと交渉を行っていると報告しました。両氏は人質解放について同じ見方を示しましたが、合意に関する条件等は明らかにしていません。19日にはNSCのファイナー大統領副補佐官も記者団に対し、「解放に向けた協議はこれまでの中で最も現実的だが、未だ合意に達していない」とコメント。ハマス側との交渉は数日間続き、中断を経て緩やかな進展をみせていると説明しました。ハマスはアメリカの動きに反発するイランが支援し、米国とEU(欧州連合)は国家的な犯罪組織として強く非難しています。
一方、ハマスの指導者ハニヤ氏は21日の声明で、「イスラエル軍との停戦合意は近い」と表明。アメリカ政府の発表を受け、歩み寄りの姿勢を示しています。
これまでアメリカ政府は人道支援を目的として約1,260台の救援車両を搬入し、1万8,000ガロンを超える燃料を供給。しかし、依然として水や医療物資は不足が続き、国連とWHO(世界保健機構)は再三にわたり一時停戦を要求しています。特に紛争被害が深刻なガザ北部では子どもの生命が危ぶまれ、両機関の支援により31人の乳児が19日に南部の医療施設へ移送されました。
こうした中、イスラエル政府はハマスの司令官3人を殺害したと発表。ハマスの拠点とされる病院や建物を相次いで空爆し、近隣のアラブ諸国は人道に反する残虐行為として糾弾しています。批判を受けたイスラエル軍は、「ガザ東部のシファ病院はハマスの中枢であり、防空壕に人質をかくまっている」と主張。18日には周辺を制圧し、病院内の司令部や建設中とみられる広大な地下トンネルの動画を証拠として公開しました。アメリカはイスラエル政府に攻撃の抑制を求め、避難場所で生活する住民の安全を最優先するよう要請しています。

参考元：REUTERS・Bloomberg・AXIOS・CNBC