イスラム組織ハマスがアメリカ国籍の人質2人を解放 さらに2人が22日に釈放へ

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イスラム組織ハマスがアメリカ国籍の人質2人を解放 さらに2人が22日に釈放へ

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パレスチナ自治区ガザを支配するイスラム組織ハマスは20日夜、イスラエルで拉致した米国籍の人質2人を「人道的な理由で解放した」と発表。2人はガザで活動するICRC(赤十字国際委員会)の職員に引き渡され、イスラエルで家族と再会を果たしました。解放された2人はアメリカとイスラエルの二重国籍を持つジュディス・ラアナーンさん(59)とナタリー・ラアナーンさん(17)の母娘です。2人はイリノイ州シカゴ近郊に在住しており、親族が住むイスラエル南部を訪問中の7日にハマスの武装集団に拘束されました。解放された2人の健康状態は良好で、引き渡しはカタールが仲介したとイスラエル当局は説明。ハマスは21日の声明でさらに別の人質女性2人の解放を示唆しており、22日にカタールへ引き渡す予定です。「手順は20日に解放した2人と同じ方法で行う」とハマス側はSNSに投稿し、人質の1人は夫と行方不明になっていた80代の女性とみられます。ハマスは一部の人質解放と引き換えにイスラエル側に一時停戦を求め、加えて人道支援物資の搬入を要求。200人以上とされる人質のうち外国籍の市民や女性と子供を解放する姿勢をみせており、停戦交渉を有利に進めたい考えです。一方で、イスラエル人男性や兵士の人質は、敵側に拘束されているパレスチナ人との捕虜交換に使う公算が高いと仲介役のカタール政府は指摘。イスラエルのネタニヤフ首相は、「人質全員の救出と帰国に向けてあらゆる手段を講じる」と述べ、ガザでの地上戦も辞さない意向を示しました。
イスラエル軍は20日もガザ地区で激しい空爆を行い、多くの市民が避難していた教会が被害を受け十数人が死亡。レバノンとの国境に近い北部ではイスラム教シーア派組織ヒズボラとの交戦が続き、戦闘によるガザ地区の犠牲者は現時点で4,137人に上り、イスラエルの死者とあわせて5,500人を超えています。

支援物資を積んだトラックがガザ地区に到着 戦闘開始から2週間ぶり

現地時間の21日午前10時、ガザ地区への支援物資を載せたトラック約20台がエジプト国境のラファを通過。入域手続きを済ませた車両は東へ移動し、7日の戦闘開始から2週間ぶりに支援物資がガザ地区に到着しました。人道的な状況が悪化する中、アメリカと中東諸国が求めていた重要事項が一つ実現できたとして各国首脳は「大きな一歩」と評価しています。
また、中東とEU(欧州連合)の政府高官は、軍事衝突の拡大阻止を目指して21日にカイロで会合を開催。エジプトのシシ大統領が主催する会合にはトルコとサウジアラビアの首脳に加え、ヨーロッパから複数の外相が出席しています。一方でアメリカのネルソン財務次官(テロ・金融情報担当)は、「ハマスの資金断絶策とガザ地区の人道支援について話し合うため、近日中にサウジアラビアとカタールを訪問する」と発表。イスラエル軍が地上を侵攻した際、ガザ地区住民の非難場所や具体的な統治方法について協議を行う方針です。

参考元:REUTERSCable News NetworkThe Associated PressTHE TIMES OF ISRAEL