太平洋赤道でエルニーニョ現象が発生 アメリカ各地は猛暑が続き3,000万人に影響

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太平洋赤道でエルニーニョ現象が発生 アメリカ各地は猛暑が続き3,000万人に影響

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NCEP(アメリカ国立環境予測センター)は7月3日、世界の平均気温が17.01度に上ったと発表。2016年8月の16.92度を上回り、過去44年間の観測史上において最も高い平均気温を記録しました。NWS(アメリカ国立気象局)は、オレゴン州西部、ニューメキシコ州中部、テキサス州、フロリダ州、サウスおよびノースカロライナ州沿岸部に高温注意報を発令。カリフォルニア州全域とアリゾナ州南部も極端に気温が上昇し、全米3,000万人の居住地域が猛暑に見舞われています。特にテキサス州南部と隣国メキシコでは6月下旬に発生した猛烈な熱波により、少なくとも112人の死亡を確認。現在冬季の南極大陸も例年にない高温が続き、ウクライナの南極観測地ベルナツキー基地では今月8.7度の最高気温を観測しました。
英国グランサム気候変動環境研究所のオットー博士は、「世界規模の気温上昇は人類と生態系に危機的な事態をもたらすでしょう」と警告。平均気温の上昇を伴う異常気象は、温室効果ガスや気候変動が大きな要因であると説明しています。
WMO(国連世界気象機関)も4日、太平洋の赤道地域で海面温度が急激に上昇するエルニーニョ現象を観測したと報告。各地の海洋で過去最高の水温を記録し、かつてない猛暑を引き起こす恐れがあると述べました。エルニーニョ現象は数年おきに発生し、世界の平均気温を押し上げる原因となっています。WMOは世界の気象当局や研究機関による報告に基づき、「今夏のエルニーニョ現象は少なくとも中規模で、今年後半まで続く公算が高い」と予測。ターラス事務局長は声明で、「私たちの健康や生態系への影響を抑えるため各国政府が連携し、あらゆる事態に備えなければならない」と述べました。また、今後5年間にわたり世界の平均気温が記録的に高まり、2024年に最も強い被害を及ぼすとして魚介の不漁や疫病の増加を危惧しています。
一方、ダートマス大学(ニューハンプシャー州)の気象研究グループは今年5月、アメリカの科学誌「サイエンス」に異常気象が世界に及ぼす経済損失をまとめた論文を発表。今夏エルニーニョ現象が発生した場合、2029年までにおよそ3兆ドル(約433兆円)の損失をもたらすと試算しました。

参考元:BBCCNNScience