ワグネルの武装反乱 アメリカ国務長官が「ロシアに深刻な亀裂が生じている」と指摘

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ワグネルの武装反乱 アメリカ国務長官が「ロシアに深刻な亀裂が生じている」と指摘

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ブリンケン国務長官は25日、「民間軍事会社ワグネルの反乱により、ロシア国内に深刻な亀裂が生じている」と指摘。ワグネルのプリゴジン氏とプーチン氏との間で合意した内容は、近日中に明らかになるとの見方を示しました。反乱はプーチン大統領の権威やウクライナ侵攻の目的に疑問を投げ掛けるものだとし、「プーチン氏の戦略的な失敗だ」とコメント。アメリカ側は引き続き状況を注視する方針です。

プリゴジン氏率いる民間軍事会社ワグネル部隊の近況

かつてプーチン大統領の側近であったプリゴジン氏率いるワグネル部隊は、ロシアがウクライナに侵攻した2022年2月24日から16か月にわたり激戦を繰り広げてきました。しかし、ウクライナへの軍事侵攻をめぐりロシア国防省との確執を深めたプリゴジン氏は、24日にロシア南部の南部軍管区司令部の施設を制圧。「我々はモスクワに向かう」と述べ、部隊を首都モスクワへと進軍させました。武装反乱を起こしたワグネルとロシア軍との戦闘で、ロシア軍には大きな被害が出た模様です。
その後、ワグネル氏は進軍を急きょ中止し部隊を撤収。プーチン氏は24日に国営テレビで、「この蜂起は反逆罪であり、反乱を主導した者たちは処罰を避けられないだろう」と述べました。プリゴジン氏は同日夜にロシア南部ロストフ州を出発し、ベラルーシに向かいましたがその後の所在はわかっていません。

プーチン大統領は事前に反乱の兆候を把握か

アメリカの有力紙は今回の反乱について、プーチン大統領が少なくとも24時間前に反乱の兆候を把握していた公算が高いと報じました。事前に阻止できなかった背景には政権上層部による足並みの乱れや、内部対立があるとの見方を強めています。
ロシア大統領府は25日、ロシアと同盟関係にあるベラルーシのルカシェンコ大統領とプーチン氏が電話会談を行ったと発表。会談の内容は明らかにされていませんが、ベラルーシに向かったとされるプリゴジン氏の処遇などについて協議を行ったとみられます。ルカシェンコ氏は今回の反乱でプリゴジン氏がベラルーシへの出国を含む仲介案を申し出るなど、事態収束に向けた存在感を示しています。また、ロシア大統領府はカザフスタンのトカエフ大統領と、ウズベキスタンのミルジヨエフ大統領とも電話会談を行ったと説明。プーチン氏は旧ソビエト時代の首脳らに対し、現政権への支持を要請したと推測されます。

ゼレンスキー大統領はバイデン大統領とロシア情勢について協議を開催

こうしたなか、ウクライナのゼレンスキー大統領はバイデン大統領とアプリを通じてワグネルが反乱を起こしたロシア情勢について会談を開催しました。ゼレンスキー氏は、「国際秩序が回復するまで世界はロシアに圧力をかけなければならない」と主張。また、アメリカが供与した地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」による防空能力の向上や「戦闘機連合」構築への協力に感謝の意を表明し、防衛協力の拡大についても協議を行いました。ホワイトハウスは今回の会談について、「アメリカは揺るぎない支援を続けると伝え、最新の戦況に関しても意見を交わした」と説明。領土奪還を目指すウクライナは、プーチン政権の混乱を反転攻勢への追い風にしたい考えです。

参考元:REUTERSBBC NEWSCBS NEWS