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フロリダ州連邦地方裁判所は9日、ホワイトハウスから機密文書を持ち出した罪で共和党のトランプ前大統領を起訴したと発表。トランプ氏は大統領退任に伴い機密文書を自宅へ運ぶ行為を画策し、これまでに計37件の罪で起訴されています。
トランプ氏は13日午後2時、フロリダ州マイアミの連邦地方裁判所に出廷。指紋採取などの司法手続きを終えて罪状認否に臨み、37件全ての起訴に関して無実を主張しました。アメリカ史上初の大統領経験者が連邦法違反の罪に問われる前例のない裁判となり、今後の見通しは不透明な状況が続くと予想されます。
同氏は出廷後にニュージャージー州へ移動し、支持者の前で今回の起訴に関する主張を展開。「謂れ(いわれ)なき罪状は現政権による権力の乱用であり、バイデン氏は最も腐敗した大統領として記憶されるだろう」と厳しく批判しました。
FBI(連邦捜査局)は2022年8月、フロリダ州にあるトランプ氏の自宅を捜索し最高機密を含む複数の機密文書を確認したと報告。今回の起訴状にはトランプ氏が機密文書を持ち出した手段や、事後の取扱いについても詳しく記載されています。FBIによると、トランプ氏は2021年1月の大統領退任時に機密文書が入った複数の箱をフロリダ州の私邸「マー・アー・ラゴ」へ運ぶように指示。持ち出した文書は330点を超え、シャワー室や広間で保管されていました。中には「ファイブ・アイズ」と呼ばれるアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5か国だけが共有する機密情報が記された文書も含まれます。報告を受けたNARA(米国立公文書記録管理局)は、再三にわたり大統領在任中の公文書を引き渡すようトランプ氏に要請。従わない場合は司法省へ通報すると警告し197点の機密文書を回収しましたが、未だ多くの書類がトランプ氏の私邸に残されています。
現時点における37件の起訴内容は以下の通りです。
49ページにおよぶ起訴状によると、機密文書にはアメリカや諸外国の「核計画」「防衛や兵器の能力」「軍事面での弱点」「攻撃に対する反撃計画」などが含まれていると指摘。捜査を指揮するジャック・スミス特別検察官は、「トランプ氏の犯罪行為は我が国を危険に晒しています。全てのアメリカ市民に起訴内容を知っていただきたい」と述べ機密情報の重要性を訴えました。
一方、トランプ氏は9日に自身のSNSを更新し、全ての起訴に対して無実を主張。翌日にはコンベンションセンターに詰めかけた2,000人以上の支持者を前に演説を行い、「一連の起訴はバイデン政権の妨害行為である」と激しく非難しました。今年3月にはSNSに「21日に逮捕される」と投稿し党の支持者らに抗議活動を行うよう呼びかけましたが、これまでに大きな混乱はみられません。
また、バイデン大統領は記者団に対し、トランプ氏に関するコメントを避けました。
参考元:The Washington Post・BBC・CNN・NPR
更新日 : 2024年5月18日
更新日 : 2024年5月17日
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