モンタナ州でアメリカ初のTikTok禁止法が成立 市民5人が差し止めを求めて提訴

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モンタナ州でアメリカ初のTikTok禁止法が成立 市民5人が差し止めを求めて提訴

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中国企業が運営する動画投稿アプリ”TikTok”についてモンタナ州政府は17日、個人のダウンロードを含めて全面的に利用を禁止する法律が成立したと発表。一般市民を対象とした法律の成立は、全米で初となります。今後はスマートフォンなどによるアプリのダウンロードが禁止され、TikTokを利用した企業や個人ユーザーは処罰の対象となります。法律の成立にあたりジアンフォルテ知事は、「全面的な禁止措置により、中国の監視下からモンタナ市民を守ることができるだろう」と議会で説明。この発表を受けて同アプリを利用する5人の市民が反対を表明し、禁止措置の差し止めを求めて連邦地方裁判所に提訴しました。5人は小規模ビジネスのオーナーやインフルエンサーで、合衆国憲法修正第1条(表現と言論の自由)を強く主張。「TikTokの利用禁止はユーザーの権利を剥奪している。憲法に則り正当な手続きを取るべきだ」と述べ、ヌードセン州司法長官を被告として訴えました。
提訴されたヌードセン氏は会見で、「我々は法的異議の申し立てを想定しており、法を守る用意は十分にある」とコメント。連邦裁判所が差し止め請求を認めない場合は来年1月より同法が施行され、違反した際は最大1万ドル(約138万円)の罰金を科すとしています。
一方でTikTokを運営するバイトダンス社のCEOは、今年3月に初めて議会下院の公聴会に出席。「利用者のデータが中国政府に流出している事実はない」と証言し、疑惑を否定しました。しかし、懸念を強める議会側との隔たりは埋まらず、アメリカは国家レベルで一般市民の利用制限に向けた論議が加速。バイデン政権は全ての連邦政府職員に対し、バイトダンス社が運営するTikTokの後継アプリについてもダウンロードを禁止しています。
アメリカでTikTokの批判が強まる要因のひとつとして、今年2月に頻発した中国の気球問題が関与していると議員らは指摘。中国側は観測用の気球と主張しましたが、アメリカ政府はデータ通信を傍受するためのスパイ気球であると判断し戦闘機で撃墜しました。こうした動きによりTikTokへの不信感が国内で募り、今後は他州でも同様の禁止措置が波及すると予想されます。
また、中国政府はアメリカの半導体大手マイクロンテクノロジー社の製品について、「セキュリティー上の問題が露呈し国家の安全に影響を及ぼす恐れがある」として21日より国内での使用禁止を発表。アメリカ側のTikTok禁止に対する報復措置とみられ、米中関係の緊張は一層高まると予想されます。

参考元:CNNReutersHarvard / Harris Poll