G7広島サミットが開幕 アメリカなど各国首脳が国際秩序や核問題について議論

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G7広島サミットが開幕 アメリカなど各国首脳が国際秩序や核問題について議論

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日本時間の19日午前、G7(先進7カ国首脳会議)広島サミットが開幕。日本での開催は7年ぶり6度目となり、議長を務める岸田総理大臣が広島市の平和公園で各国首脳らを出迎えました。各首脳が揃って原爆資料館を視察したあと午後から本格的な討議に入り、被爆地でのサミット開催にG7の核保有国(アメリカ・イギリス・フランス)による見解と今後の動静が注目されます。
今回のサミットでは「10のセッション」が行われ、「ウクライナ情勢や核の軍縮と拡散防止、食料・エネルギー問題などについて意見を交わす」と岸田氏は説明。ウクライナ侵攻を続けるロシアや覇権主義的な行動を強める中国の動向を踏まえ、国際法に基づく「自由で開かれた秩序の維持・強化」に向けてG7の結束を強めたい考えです。特に「グローバル・サウス」と呼ばれる新興国や途上国の発展が不可欠であるとの姿勢を強調し、対象国が抱える深刻な課題解決に向けて協力する方針で一致しました。
また、経済分野における焦点は中国の「経済的威圧」や「排出削減対策」など、各国の連携強化に関する議論を展開。デジタル分野ではChat GPTなど生成AIについて、著作権の侵害や偽情報への取り組みに関する共通認識をまとめる方針を示しました。各国首脳らは具体的な意見を交わし、会合の成果は国家宣言や成果文書として発表される見通しです。サミット開催前日の18日には日米首脳会談が行われたほか、日本・アメリカ・韓国による3か国首脳会談も開催。日本・アメリカ・オーストラリア・インド4か国による協定の枠組み「クアッド首脳会合」も20日夜に行われました。
一方、4月に和歌山県を訪れていた岸田首相に対し爆発物が投げ込まれた事件を受け、広島市内では不審者や不審物への対応を強化。各国首脳の訪問先や移動ルートの沿道では、警察官による徹底した職務質問や所持品検査が行われました。平和公園の周辺は一般客の入場を制限し、不審物が発見された際の初動対応にあたる爆発物処理班が待機。宮島への移動は警察と海上保安庁が連携し、首都圏の主要駅や空港でもテロ行為を防ぐため厳重な警戒態勢を敷いています。

G7広島サミットの主な日程と「10のセッション」

G7広島サミットは、5月19日から21日まで3日間にわたり開催されます。G7首脳のみで行う議会のほか、食事をとりながら意見を交わす「ワーキングランチ」や「ワーキングディナー」など招待国や国際機関も交えた「アウトリーチ会合」と呼ばれる「10のセッション」が行われます。
G7広島サミットの主な日程と「10のセッション」に関する概要は以下の通りです。

5月18日:サミット開幕前日に日米首脳会談を開催
アメリカのバイデン大統領は18日午後4時ごろ山口県の岩国基地に大統領専用機「エアフォース・ワン」で到着し、岸田総理大臣と日米首脳会談を開催。岸田氏はイギリスのスナク首相、イタリアのメロー首相とも個別に会談を行いました。

5月19日:サミット1日目
サミット初日の19日午前、岸田総理大臣は裕子夫人と平和記念公園でG7各国の首脳と配偶者を出迎えました。G7首脳らは揃って献花や植樹を行い、訪れた原爆資料館にて被爆者と面会。その後、今回の主会場となる宇和島のグランドプリンスホテル広島へ移動しました。
セッション1:ワーキングランチ「分断と対立ではなく協調の国際社会へ」
午後は首脳全員で昼食をともにする「ワーキングランチ」を開催。サミットの柱となる「分断と対立ではなく協調の国際社会へ」をテーマに討論がなされ、今後の世界経済におけるAIのあり方や規制に関する国際的な基準についても意見交換を行いました。
セッション2:「ウクライナ情勢」
各国首脳はロシアによる軍事侵攻を強く非難し、今後もさらなる経済制裁とウクライナへの支援を継続する方針で一致。この後、世界遺産の厳島神社がある宮島にて記念撮影が行われました。
セッション3:ワーキングディナー「外交・安全保障」
夕食をともにする「ワーキングディナー」を開催。テーマは「外交・安全保障」で中国を含めたインド太平洋地域の情勢や、岸田氏が重視する核の軍縮と拡散防止をめぐり議論が行われました。

5月20日:サミット2日目
セッション4:「パートナー(グローバル・サウス)への協力方針」
ウクライナ情勢により中間的な立場をとる国も多い「グローバル・サウス」と呼ばれる新興国や途上国との関係のあり方や、今後の協力方針について討論を展開。バイデン大統領はアメリカ国内における債務上限問題をめぐる対応のため一時退席し、ブリンケン国務長官が代理を務めました。
セッション5:ワーキングランチ「経済的強じん性・経済安全保障」
中国の動きを念頭に、輸出制限などで相手国に圧力をかける「経済的威圧」への対応や、半導体や重要鉱物などの供給網(サプライチェーン)の強じん化に向けた連携策などについて協議が行われました。午後は「アウトリーチ国」と称されるインドやオーストラリア、韓国など8か国の招待国の首脳や7つの国際機関の代表らが会合に参加。岸田総理大臣と裕子夫人が出迎えました。
セッション6:「複合的危機への連携した対応」
アウトリーチ国が合流し、複合的な危機への連携と対応を主題とした会合を開催。世界の食料問題や国際保健、ジェンダー問題について協議を行いました。
セッション7:「SDGs 持続可能な世界に向けた共通の努力」
SDGsに代表される「持続可能な世界に向けた共通の努力」について討論を開催。気候変動対策や次世代エネルギーのほか、環境問題について様々な意見が交わされました。また、夜はG7や招待国の首脳と国際機関の代表らを宮島へ招待し、老舗旅館「岩惣」にて晩餐会が行われます。

5月21日:サミット3日目
最終日の午前中は、招待国の首脳や国際機関の要人らが広島市の原爆資料館を視察。案内役を務める岸田氏は、原爆に関する実相について各国の首脳らに理解を求める方針です。
セッション8:招待国を含めたセッション「平和で安定し繁栄した世界に向けて」
セッション9:ウクライナのゼレンスキー大統領による講演
当初ゼレンスキー大統領はオンラインでの講演を予定していましたが、急遽G7広島サミットへの参加を表明。サウジアラビアを経由して、日本時間の20日午後3時半ごろ広島空港に到着しました。ゼレンスキー氏は講演前後のセッションに出席し、岸田首相のほかバイデン大統領と個別に会談を行う予定です。
セッション10:G7広島サミットの閉会宣言
議長の岸田氏が会見を行い、各国首脳らと一致した見解や今回の成果について説明しG7広島サミットは終幕を迎えます。

参考元:BBC(5/19)BBC(5/20)Cable News NetworkREUTERS