アメリカ国防長官とロシア国防相が電話会談 無人偵察機の墜落を受けて協議

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アメリカのオースティン国防長官は米軍無人偵察機がロシア軍戦闘機と衝突して墜落した件を受けて、ロシアのショイグ国防相と電話で会談。両国ともに意思疎通の重要性を確認したと報告しました。オースティン氏は15日の会見で、「先ほどロシアのショイグ国防相との電話を切ったばかりだ。これまで何度も言っているように、大国は透明性とコミュニケーションの模範であることが重要だ」とコメント。会談の具体的な内容については明言を避けましたが、「国際空域において攻撃的で非常に危険な行為である。ロシア軍の戦闘機は危険かつ無謀でプロ意識のない行動をとった」と改めてロシアを非難しました。
また、「今回の墜落事故をアメリカは深刻に受け止めている。さらなる対立を防ぐために、今後も我々が電話を通じて関わり合うことが両国にとって重要だ」と説明。国際法が許す限り偵察飛行を続ける意向を強調し、ロシアは挑発行為を行うことなく安全に軍用機を運用する責務があると指摘しました。
これに対しロシア国防省は、「今回の墜落事故はロシアが定めた特別軍事作戦の飛行制限区域をアメリカが守らず、偵察活動によって引き起こされた」と述べアメリカ側の主張を批判しています。
無人偵察機の墜落をめぐり両国の主張は食い違いが続いていますが、国防トップの会談は直接衝突を避けるため対話を維持する必要性で一致しました。

ロシア軍が墜落した偵察機の一部を回収　アメリカは遠隔操作で機密情報を削除

NSC(アメリカ国家安全保障会議)のカービー戦略広報調整官は15日、黒海上空でロシア戦闘機と衝突し墜落した無人偵察機の回収が困難であるとの見解を表明。「墜落した場所の水深は極めて深く、回収に向けて選択肢を模索している」と述べました。
アメリカ軍は14日、黒海上空の国際空域を飛行していた無人偵察機“MQ9”がロシアのスホイ27戦闘機と衝突し海上に墜落したと発表。米国務省は急きょロシアのアントノフ駐米大使を召喚し懸念と遺憾をあらわにしましたが、ロシア側はアメリカの挑発行為であるとして反論を繰り返しています。
ロシア国防省報道官は15日の声明で、「我が国の戦闘機は接触せず武器も使用していない。アメリカの無人偵察機が急な方向転換により制御を失って墜落した」と改めて強調。プーチン大統領の側近であるパトルシェフ安全保障会議書記は無人偵察機の残骸について、「できる限り努力して回収する」と述べました。その後、ロシア軍は深海約1,500メートルに沈んでいた無人偵察機の一部を回収したとアメリカ側に通達。回収された機器は明らかになっていませんが、米軍は墜落前後にMQ9が収集した機密情報を遠隔操作で消去したと発表しました。
ウクライナ侵攻からアメリカ・ロシア両軍機による衝突は初の事態で、直接的な交戦を避けながら周辺地域を通じて応戦を続ける両国の緊張は高まりを見せています。

参考元:Cable News Network・BBC NEWS