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アメリカ政府は14日、ウクライナ南部に面した黒海上空で米軍の無人偵察機がロシア軍の戦闘機による妨害を受け衝突し墜落したと発表。一方のロシア側は接触や衝突を否定し、ウクライナ侵攻をめぐりアメリカとの対立が浮き彫りとなりました。
アメリカ軍の発表によると、衝突事故は中央ヨーロッパ時間の14日午前7時3分に発生。黒海上空の国際空域を飛行していた米軍の無人偵察機“MQ9”に対し、2機のロシア軍戦闘機が故意に前方を妨害した疑いがあると主張しています。戦闘機は数回にわたり偵察機に向けて燃料を浴びせ、うち1機は故意にMQ9のプロペラに衝突し海上に墜落させたと説明しました。
事態を重く見たアメリカ国務省は、ワシントンに駐在するロシアのアントノフ大使を急きょ召喚。「無謀かつ環境に配慮しない手段で任務を妨害し、プロ意識に欠ける行為である」と強く非難しました。
一方でアントノフ大使は国務省で記者団に対し、偵察機との接触はなかったとコメント。「ロシアの戦闘機はいかなる武器も使用していないし、アメリカとの対立は望んでいない。無人偵察機は急な方向転換を行った後に墜落した。これはアメリカ側の挑発行為だ」と述べ異なる見解を主張しました。
2014年にロシアがウクライナ南部クリミア半島を一方的に併合して以降、黒海をめぐる緊張は高まりを見せています。昨年2月から始まったロシア軍によるウクライナへの侵攻を受け、アメリカ・イギリス両軍は空からの偵察を強化。両軍の監視活動は国際空域内に留まっていますが、今回の衝突墜落事故によりアメリカとロシアのさらなる対立が懸念されます。
また、アメリカ国防総省のライダー報道官は14日に緊急会見を開き、「ロシア軍の戦闘機はMQ9に衝突する30~40分前に付近を飛行し進路を妨害した。無人偵察機への意図的な燃料放出は明確で、状況を撮影した映像の公開も視野に入れている」と指摘。ロシアとの機密保持解除に向けて検討する方針を明らかにしました。
参考元:BBC NEWS
更新日 : 2024年5月15日
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