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ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官は現地時間の20日、バイデン大統領がウクライナの首都キーウを訪問したと発表。昨年2月に始まったロシアによる侵攻から初の訪問となり、ゼレンスキー大統領と会談を行ったと述べました。今回の訪問は徹底した情報管理のもと、極秘裏に計画したと説明。アメリカ大統領の電撃的な訪問に、世界各国から驚きの声が上がりました。
バイデン氏は19日午前4時過ぎに、大統領専用機でワシントン郊外の空軍基地を出発。キーウには現地時間の20日午前8時ごろ到着しました。バイデン氏はゼレンスキー大統領との会見で、「ウクライナの独立と主権、領土の一体性に対する揺るぎない支持を示すためにキーウへ来た。ロシアの軍事侵攻から1年が経過したが、ウクライナも民主主義も倒れていない」とコメント。ウクライナ政府に対し、追加でおよそ5億ドルの軍事支援を行うと述べました。アメリカはこれまでウクライナに270億ドルを超える支援金のほか、装甲車の「ストライカー」や歩兵戦闘車「ブラッドレー」、防空システム「アベンジャー」などを供与しています。
また、バイデン氏はロシアを支援する企業に対し、新たな制裁措置を行うと発表。ロシアのプーチン大統領による年次教書演説を前に、ウクライナとの結束と軍事支援の継続を改めて強調しました。ゼレンスキー氏との会談は市内の宮殿でおよそ2時間にわたり行われ、両氏は午前11時半に中心部の大聖堂を訪問。戦死したウクライナ兵士を弔う壁に沿って歩き、哀悼の意を述べ献花を行いました。その後、バイデン氏は正午頃にキーウのアメリカ大使館へ到着。執務を行ったあと車で移動し、午後1時すぎに列車でウクライナを離れました。滞在はおよそ5時間でしたが、ゼレンスキー氏は「非常に有意義であった」と感謝の意を表明。バイデン氏の訪問にあらためて敬意を示しました。
ウクライナでは首都キーウを含む各地で午前11時半から午後1時頃まで防空警報が発令され、危険が伴う中での訪問となりました。
ホワイトハウスは今回の訪問に関し、バイデン氏がウクライナを離れた後に新たな声明を発表。19日夜にポーランド南東部のジェシュフに大統領専用機で到着したあと車で移動し、国境付近のプシェミシルで列車に乗り換えてキーウへ到着したと説明しました。列車での移動はおよそ10時間におよび、数か月にわたる周到な準備のうえ最小限の関係者が同行。サリバン補佐官は「かつての歴代大統領によるアフガニスタンやイラクと情勢が異なり、米軍が駐留していない地域への移動は極めて困難だった」と述べ、歴史的で前例のない訪問だと強調しました。
ウクライナ訪問は17日に最終決定し、バイデン氏は国際会議のためドイツを訪れていたハリス副大統領へ連絡。当初の予定を早めて18日の帰国を要請しました。
また、バイデン氏が出発する数時間前に、ロシア側に対しウクライナへの訪問を通告したと説明。政府はロシアとの直接的な衝突を避ける狙いがあり、慎重かつ十分に配慮した上での判断と見られます。
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