アメリカ製薬大手が中国の新型コロナウイルス関連市場に関心 参入は難航の見込み

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アメリカ製薬大手が中国の新型コロナウイルス関連市場に関心 参入は難航の見込み

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製薬業界における世界最大規模の国際会議「JPモルガン・ヘルスケアカンファレンス」が、9日から12日にかけて3年ぶりに開催。アメリカやヨーロッパで新型コロナウイルスワクチンや治療薬の需要が減少するなか、製薬会社は感染拡大が続く中国市場に高い関心を示しています。
ファイザー社は中国保健省に新型コロナウイルス経口治療薬「パクスロビド」の緊急使用許可を申請し、今年5月までに中国内で製造を行う方針を示しました。
一方、メルク社は日本でも供給されている経口治療薬「モルヌピラビル」の販売を13日から中国で開始。同薬は保健適用となり、3月末まで医療機関で処方されます。
しかし、中国政府は欧米企業の参入に慎重な姿勢を示しており、各社の新型コロナウイルス関連事業は難航が予想されると専門家は指摘。NHSA(中国国家医療保障局)は8日、ファイザー社のパクスロビドを医療保険制度の適用外とする意向を示しました。同社が提示した価格を中国側が受け入れず、販路拡大に向けた交渉は多難が続く見込みです。
ファイザー社のアルバート・ブーラCEOは、「世界第2位の経済大国である中国が、発展途上国のエルサルバドルより安い価格で治療薬を求める姿勢は適切でない」とコメント。中国側の動きをけん制し、現時点で価格の合意に至っていません。
また、ファイザー社のパートナー企業であるドイツのビオンテック社でCSO(最高戦略責任者)を務めるライアン・リチャードソン氏は、「中国との交渉は価格が最大の問題ではありません。香港やマカオではファイザー社のワクチンが供給され、中国本土在住のドイツ国籍の方も接種が可能になりました。しかし、中国政府は外国製治療薬の受け入れを拒み、依然としてシノファームやシノバックなど国産ワクチンが主流となっています」と説明。中国製ワクチンの需要は今後も続くと述べ、国内でのシェア確立は時間がかかると予測しています。
2022年7~9月期におけるファイザー社製ワクチンの売上高は44億ドル(約5,700億円)で、前年同期と比べ66%減少。モデルナ社製ワクチンの売上高は32%減の33億6,400万ドルにとどまりました。
欧米の製薬大手が中国市場に軸足を移す背景には先進国での大幅な売上減少があり、各社は新たな派生型に有効なワクチンや感染自体を防ぐ医薬品の開発に今後も注力する方針です。

参考元:REUTERSCNBC NEWS