ウクライナが東部の拠点から撤退 バイデン氏「アメリカ議会の不作為が原因」

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ウクライナが東部の拠点から撤退 バイデン氏「アメリカ議会の不作為が原因」

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バイデン大統領は17日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を開催。ロシアとの激戦が続く東部ドネツク州アウディーイウカからウクライナ軍が撤退したとゼレンスキー氏より報告を受けました。同軍は先月から弾薬不足により砲撃を制限していたため、ここ数か月で初めてロシア側に重要な拠点を占拠されたと説明。報告を受けたバイデン大統領は引き続きウクライナを支援する意志を強調し、早急に連邦議会へ緊急予算の承認を求めると述べました。一方でアメリカ連邦下院の議員らはさらなる軍事支援の支出に懸念を示しており、予算の承認は昨年末から難航しています。
アウディーイウカからの撤退についてウクライナ側は、「市民の安全を守るためやむを得ない決断を下した」とコメント。これを受けてバイデン氏は「軍事支援を軽視する連邦議会の不作為が原因」と述べ、米国政府の協力体制を見直す方針です。
また、電話会談後は訪問先のデラウェア州リホボスビーチで会見を行い、「ウクライナの武器は尽きかけているが勇敢に戦っている。しかし、このままでは他の都市も陥落する恐れがあるため、アメリカの支援継続は不可欠だ」と指摘。ウクライナを突き放す行為は非論理的で、米国が掲げる国家思想に反すると主張しました。
議会上院は先週の投票で、ウクライナへの支援などを盛り込んだ総額953億ドルの「外国援助法案」を賛成多数で可決。同法案の審議は今月末に共和党(野党)が優勢な議会下院にて審議されますが、議長を務めるジョンソン氏は「承認の実現性は低い」との見解を示しています。

ロシア軍は空からウクライナの要衝を制圧 今後も同様の作戦を展開か

ロシアが掌握したウクライナ東部アウディーイウカでの戦況について、アメリカのシンクタンク“戦争研究所”は軍事的な解析を発表。
ロシア軍が局地的に空から攻撃を行った後に、地上部隊と連携して都市を制圧した初の作戦だったと報告しました。今後いままで以上にウクライナへの支援が滞った場合、ロシア側は同様の作戦を集中的に展開し東側から各地へ侵攻するとの見方を示しています。
一方のロシア国防省は17日、激しい攻防の末にアウディーイウカをロシア軍が完全に掌握したとプーチン大統領に報告。ロシア側は今回の制圧を重要な勝利と位置付け、「戦況は極めて優勢」と各国へ通告しました。
人口約3万人のアウディーイウカは完全に破壊され住民の大半はウクライナ西部へ避難しましたが、今回の攻撃による被害は明らかになっていません。

参考元:Cable News NetworkBBC NEWS