ハワイ州マウイ島の山火事で55人が死亡　被災者は今後さらに増える見込み

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ハワイ州マウイ島で発生した山火事について、地元消防局は10日までに55人の死亡を確認したと発表。グリーン州知事は「ハワイの歴史上において最悪の自然災害である」と述べ、今後数週間にわたり行方不明者の捜索が続くとの見解を示しました。8日に発生した火災はハリケーンの影響により、観光地として有名なラハイナ市街で急速に拡大。沿岸部の大半は焼き尽くされ、現在も立ち入りが制限されています。地元警察は会見で、「できるだけ早く安全に市民を救出する」とコメント。一方で今後も犠牲者は増える公算が高いと述べ、島外への避難を迅速に進める方針です。
マウイ島は州都ホノルルがあるオアフ島の南東に位置し、ハワイ諸島では2番目に大きな島となります。サーフィンやダイビングなどのマリンスポーツが盛んで、昨年はおよそ300万人の観光客が訪れました。山火事で大きな被害を受けたラハイナは島の北西部にあり、かつてハワイ王国の首都が置かれていたアメリカの歴史保護区です。今回の火災で100年以上前に日本移民が建立した寺院も焼失し、美しい街並みは過去の面影を残していません。在ホノルル総領事館によると日本人の負傷者は報告されていませんが、マウイ島への渡航を控えるよう呼びかけています。
NWS(アメリカ国立気象局)は、「火災が拡大した背景にはハワイ諸島の南を通過していたハリケーンに伴う強風と、連日の乾燥した気候が大きく関与している」と説明。8日未明に島内の3か所で火災が起こり、午前11時頃には風速約25メートルの非常に強い風に覆われました。火災の範囲は現時点でおよそ3平方キロメートルに及び、島外からの消防士も加わり救助にあたっています。
気象の専門家は「極端な降水量の減少で地面と植物の乾燥が急速に進み、大規模な干ばつが発生した」と指摘。各国で報告されている気温の上昇と気候変動は、今後もさらに加速する見通しを示しました。

参考元：Reuters・The Associated Press・CNN