アメリカがユネスコに再加盟 トランプ前政権下の脱退から5年ぶり

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アメリカがユネスコに再加盟 トランプ前政権下の脱退から5年ぶり

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アメリカ国務省はパリに本部を置くユネスコ(国連教育科学文化機関)に書簡を送り、トランプ前政権下で脱退したユネスコへの再加盟を表明。今年7月を目途に復帰する意志を示し、書簡を受け取ったアズレー事務局長は各国政府にアメリカ側の意向を報告しました。ユネスコは慣例として加盟国の協議によって議題の採決を行いますが、今回は事務局長の判断によりアメリカの復帰を認めるとしています。
ユネスコではAI(人工知能)の活用を含めた教育の振興など、最先端技術と文化的な取り組みについて定期的な会合を開催。アメリカ不在の5年間に技術と生産の覇権を狙う中国への懸念が強まるなか、再加盟に各国首脳は一様に歓迎の意を示しました。今後は中国の勢力を抑止し、国際社会におけるリーダーシップの奪還に繋がると西側諸国らは期待を寄せています。
アメリカはオバマ政権時代の2011年、ユネスコがパレスチナの加盟を正式に承認したとして分担金の拠出を停止。米国政府の法律ではパレスチナと共栄する国際組織への資金提供が禁止されているため、ユネスコとの関係は次第に悪化しました。2016年にユネスコが、「エルサレムの世界遺産をイスラエルが破壊している」と決議した際もアメリカ側は遺憾を表明。また、2017年にはエルサレム全域とパレスチナを擁護する裁決を下した際もアメリカは強く反発し、2018年末を以てユネスコを脱退しました。
当時のトランプ前大統領は、「多額の資金を提供しても思い通りにならない国際組織は脱退すべき」との方針を発表。国連や世界的な温暖化対策の枠組み“パリ協定”にも強い反感を示し、相次いで脱退した経緯があります。その後、政権を引き継いだバイデン氏はこれまでの大統領と異なる施策を提言。中国が国際的な主導力を高める懸念から同盟国との枠組みを強化し、パリ協定やWHO(世界保健機構)への復帰を表明しました。アメリカは1984年にもソビエト連邦(現ロシア)に対する政治的な姿勢を理由にユネスコを脱退しましたが、2003年に再び加盟しています。
ユネスコ本部で特別議会を開いたアズレー氏は12日、「今後はさらに団結力を高め、未来を見据えた国際的な取り組みが必要です」とコメント。アメリカ政府から受け取った通知を読み上げ、193か国の首脳らに詳細を報告しました。現在、ユネスコへの拠出額は中国が最大で、次いで日本、イタリア、フランスとなっています。

参考元:UnescoForbesAP News