アメリカの債務上限問題 2025年1月まで凍結で合意し31日に法案の審議へ

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アメリカの債務上限問題 2025年1月まで凍結で合意し31日に法案の審議へ

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バイデン大統領は28日、米国債のデフォルト(債務不履行)回避に必要な債務上限引き上げ問題をめぐりマッカーシー下院議長(共和党)との電話協議で合意に至ったと発表。現在の債務31兆4千億ドル(約4,400兆円)を2025年1月まで凍結し、今月31日に行われる法案の審議に向けて準備に入る予定です。
バイデン氏率いる民主党は政府予算に上限を設定し、歳出抑制を必須条件として共和党側が合意に応じたと説明。法案は上下両院で議会を開催し、多数決にて可決される必要があります。バイデン氏は歳出抑制の受け入れに関し、「アメリカ史上初のデフォルトを回避し、経済危機と数百万人もの雇用喪失を防ぐことで与野党は一致している」と説明。上下両院議会において、関連法案の可決に同意するよう強く訴えました。また、バイデン氏は同日のツイッターに、「今回の合意は重要な前進だが、これは妥協を意味する」と投稿。一方のマッカーシー氏は電話協議後の会見で、「最終的に上下両院での可決が必要になるが、今回の法案は多くの共和党議員が賛成するだろう」と自信を示しました。しかし、民主党の急進派や共和党の強硬派など一部の議員からは妥協に反発する声も上がり、来月5日の「Xデー」が迫るなか両党の調整が続いています。
デフォルトの回避に向けて、与野党が合意した大筋の法案は以下の通りです。
債務上限への対応:現在の債務31兆4千億ドル(約4,400兆円)を2025年1月まで凍結。2024年に行われる大統領選挙では、債務上限に関する争点が除外されます。
歳出の上限を設定:軍事費を除く2024年度会計(2023年10月~2024年9月)の歳出は、前年度と同水準に据え置き。2025年度の会計は1%増額となる見通しです。
食糧援助要件を厳格化:民主党は共和党が求める同要件の厳格化に概ね合意。低所得者向けの医療保険制度”メディケイド”の資格審査は、本件の対象外とする方針です。
歳入庁の資金を削減:2023年度における歳入庁の新規職員採用に充てる資金について、共和党は全額の要求を取り消し削減する方針で合意しました。
学生ローンの返済を再開:パンデミックの発生を受けて政府は2022年8月から一時的に学生ローンの返済を免除していますが、今年9月から同措置を再開します。
天然ガスパイプラインの建設を加速:バイデン政権が進める北東部の天然ガス供給プロジェクト「マウンテンバレーパイプライン」について、両党は建設を加速させる方針で合意しました。

参考元:Associated PressFinancial TimesCNN