アメリカFRBが0.25%利上げ 銀行破たんの連鎖抑止とインフレ対策に注力

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アメリカFRBが0.25%利上げ 銀行破たんの連鎖抑止とインフレ対策に注力

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アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)は22日、0.25%の利上げを発表。国内で銀行の倒産が相次ぐなか、破たんの連鎖と記録的なインフレを抑止する方針を強調しました。昨年6月の会合から9回連続で利上げが行われ、政策金利目標は2007年以降で過去最高水準の4.75~5%となります。
FRBは21日より今後の金融政策に関する会合を開き、金融不安に対する懸念とインフラ対策を中心に協議が行われました。FRBのパウエル議長は会合後の会見で、「アメリカの銀行システムは柔軟で健全な状態だが、今後数か月は銀行破たんの影響が経済成長にダメージを与えると予想される。見通しは不透明な状況でインフレによるリスクを抑止するため、政策金利をさらに0.25%引き上げる判断に至った」と説明しました。
アメリカでは今月に入り中堅銀行のシリコンバレーバンクとシグネチャーバンクが破たんし、FDIC(アメリカ連邦預金保険公社)の管理下に置かれました。両社はIT関連のスタートアップ企業や暗号資産(仮想通貨)などデジタル分野を主軸に業績を伸ばしてきましたが、破たんの背景にはFRBによる急激な利上げによって生じた債権の株価下落も関与しています。また、融資した企業の業績不振と金融不安から預金の引き出しが相次ぎ、国民からは連鎖を防ぐためのチェック機能と管理体制の強化が求められています。
一方でヨーロッパ金融当局は、「アメリカの銀行破たんが経済の安定を脅かすとは考えていないが、インフレを抑制する努力は必要である」とコメント。ECB(欧州中央銀行)は0.5%の利上げを発表し、英国のイングランド銀行も23日に政策金利を引き上げる方針です。イギリスでは2月のインフレ率が10.4%となり、市場予想を大きく上回りました。
パウエル議長は銀行破たんが起こった今月7日の会見で、「インフレ収束のためには予想以上の金利引き上げも検討する」とコメント。急激なインフレ率は今年中に低下する見通しを示していますが、数か月前の予測と比べ下げ幅は低い状況が続いています。FRBは政策金利の上限を当初から5.1%としていたことから、次回の会合では利上げの見送りが予想されます。

参考元:BBC NEWSBloomberg