「中国の偵察用気球は容認できない」アメリカ国務長官が強い懸念を示し訪中を延期

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「中国の偵察用気球は容認できない」アメリカ国務長官が強い懸念を示し訪中を延期

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アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は3日に会見を行い、中国の偵察用気球とみられるスパイバルーンがモンタナ州上空で確認された件について言及。核ミサイルが配備されている機密施設を上空から撮影しているのは明らかだと批判し、「容認できない違法行為である」と述べ中国側への憤りをあらわにしました。
ブリンケン氏は5日から北京を訪れ中国政府の高官らと協議を行う予定でしたが、今回の事態を受けて急きょ取りやめを発表。台湾問題や新型コロナウイルス対策など幅広い分野での協議が予定されていましたが、無期限の延期を示唆しました。バイデン大統領もホワイトハウスの報道官を通じ、「現時点で中国へ訪問するべきではない」とコメント。ブリンケン氏の訪中延期に同意を示しました。
また、アメリカ国防総省は2日の緊急会見にて、米国上空で飛行を続けるスパイバルーンを米軍機F22が追跡中であると報告。「民間航空機よりも高い高度を飛行し追跡を行っていますが、地上に脅威を与えるものではない」と説明しました。詳細は「モンタナ州上空に中国の偵察用気球 数日前からアメリカ領空に飛来し米軍機が追跡中」をご確認ください。

中国側は「気象調査を目的とした民間の気球」と釈明するもアメリカ側は一蹴

一方の中国側は2日に行われたアメリカ国防総省の会見前に、「米空領を飛行中の気球は気象調査を目的とした民間企業のものである」と発表。偏西風の影響を受けて制御不能となり、誤ってアメリカ領空に侵入してしまったとの見方を強調しました。中国政府は5日からのブリンケン国務長官の訪中前に事態の収拾を図ったとみられますが、アメリカ政府は中国側の釈明を一蹴。国防総省のライダー報道官は、「中国の声明は把握していますが、確認したところ偵察用のスパイバルーンに間違いありません。無人の気球は遠隔操縦が可能で、カナダ国境付近でアメリカ領空へと進路を変更しました。3日正午の段階で、アメリカ中西部の上空約1万8,000メートルの高度で東へ飛行しています」と説明しました。
また、中国側は3日にも謝罪を行い遺憾の意を示しましたが、アメリカでは野党(共和党)議員を中心に強い反感の声が上がっています。トランプ前大統領は自身のソーシャルメディア“トゥルース・ソーシャル”に、「気球を撃ち落とせ」と投稿。マッカーシー下院議長(共和党)も、「スパイバルーンは米中の安全保障に関わる問題であり、毅然と対処しなければならない」とツイッター上で自身の見解を述べました。

参考元:BBC NEWS