【11月14日更新】アメリカ中間選挙の投開票が進む 当選の上院議員や州知事を発表

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【11月14日更新】アメリカ中間選挙の投開票が進む 当選の上院議員や州知事を発表

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アメリカの中間選挙は8日に全米各地で投票が行われ、同日午後6時から南部ケンタッキー州を皮切りに開票作業を開始。記録的なインフレのなか、与党(民主党)と野党(共和党)の両陣営は激戦を繰り広げました。
激戦が続いた西部ネバダ州の上院議員選挙は12日、民主党キャサリン・コルテスマスト候補が当選し与党は定数100議席の半数となる50議席を獲得。12月6日には最後の1議席をめぐり南部ジョージア州で決選投票が行われますが、結果を待たずに民主党の主導権維持が確実となりました。
一方、共和党はこれまでに49議席を獲得。上院はハリス副大統領(民主党)が議長を兼務しているため、与党は50議席を確保し事実上の多数派となります。
また、各州下院議会は13日時点で民主党210人、共和党214人の当選を発表。いずれも過半数である218議席には到達していません。当初の予想と比べて共和党が伸び悩みを見せるなか、今後は下院における勝敗の行方が焦点となります。

アメリカの中間選挙とは
アメリカの中間選挙は4年に1度となり、大統領就任から2年目に全米各地で一斉に行われます。連邦議会の上院・下院の議員選出や州知事選挙を行い、今後の政治方針と2年後の大統領選にも大きな影響を与える重要な慣例です。
投開票は11月第1月曜日の翌日(火曜日)と定められ、今回は11月8日となります。連邦議会選挙は上院3分の1と下院の全てにおいて改選を実施。上院の定数は100議席で各州から2人が選出され、原則として6年の任期を務めます。このうち、およそ3分の1が2年ごとに改選されますが、現在は無所属を含む民主党系と共和党がともに50議席を保有。同数の場合は議長を務めるハリス副大統領(民主党)が1票を投じるため、現状は民主党が多数派となります。
下院の定数は435議席で、各州の人口比率に応じて配分を策定。任期は2年で、今回は全ての議席において改選が行われます。現状は民主党が220議席・共和党が212議席を保有し、民主党が上下両院で主導権を握っている状況です。
今回の選挙戦はインフレ対策が最大の焦点となり、経済面の強化を掲げる共和党が僅差で優勢と専門家は指摘。上下院いずれかで民主党が主導権を失った場合、現政権が推進する法案は議会での承認取得が困難になると予想されます。バイデン大統領は開票前に共和党の躍進に攻勢を示し、残り2年の任期も政権維持を目指す意向を強調しました。
また、今回の中間選挙は全米50州のうち36州で州知事選も行われます。

アメリカ各州で当選が報告された上院議員および州知事(現地時間11月13日午前0時時点)
中間選挙は8日夜から開票作業が進み、各州で上下院ともに当選および当確(当選確実)が報告されています。これまでに当選が報告されている主な上院議員および州知事は下記の通りです。

ネバダ州 キャサリン・コルテスマスト氏(民主党・現職)
西部ネバダ州の上院議員選挙は、民主党の現職キャサリン・コルテスマスト氏(58)が当選。同氏はネバダ州司法長官を務めた後、2016年に上院議員選挙に初めて立候補し議席を獲得。ヒスパニック系女性候補として初の上院議員となりました。有名観光地ラスベガスが所在するネバダ州は、“スイング・ステート”(揺れ動く州)と呼ばれる激戦区の1つです。州の主要産業である観光や娯楽産業は新型コロナウイルスの影響で大きな打撃を受け、コルテスマスト氏は雇用や経済の活性化を訴えて共和党候補との接戦を制しました。

アリゾナ州 マーク・ケリー氏(民主党・現職)
西部アリゾナ州の上院議員選挙は、民主党の現職マーク・ケリー氏(58)が当選。ケリー氏はアメリカ海軍出身で、1991年の湾岸戦争では「砂漠の嵐作戦」のメンバーとして参加。その後はNASA(アメリカ航空宇宙局)の飛行士となり、宇宙での任務にあたった経験を持ちます。同氏は2年前に共和党の重鎮ジョン・マケイン上院議員の急逝に伴い、補欠選挙で初の議席を獲得。選挙戦では高騰が続く燃油価格の引き下げを目的とする一時的な税金免除のほか、雇用創出や人工妊娠中絶権利の保障などを強調。無党派を含む幅広い層の支持を獲得し、トランプ前大統領の公認候補である新人ブレイク・マスターズ氏との接戦を制し再選を果たしました。

ペンシルベニア州 ジョン・フェターマン氏(民主党・新人)
激戦が続く東部ペンシルベニア州の上院議員選挙は、民主党の新人ジョン・フェターマン氏(53)が当選しました。同氏は保険会社での勤務を経て、13年間にわたりピッツバーグ近郊の自治体トップに就任。現在はペンシルベニア州の副知事を務めています。選挙戦では国内産業の強化や、人工妊娠中絶の権利保障などを強調。無党派の市民など幅広い層から支持され、トランプ氏の公認候補である共和党の新人メフメト・オズ氏を抑えて当選となりました。

ウィスコンシン州 ロン・ジョンソン氏(共和党・現職)
中西部ウィスコンシン州の上院議員選挙は、共和党の現職ロン・ジョンソン氏(67)が当選。同氏はプラスチック製造会社などでの勤務を経て、2010年に上院議員の議席を獲得しました。今回はトランプ氏の支持を受けて出馬し、民主党の新人マンデラ・バーンズ候補と接戦を展開。ジョンソン氏は記録的なインフレは現政権に責任があると痛烈に批判し、人工妊娠中絶の反対や医療制度改革などを訴えました。共和党の支持層を着実に固め、今回で3回目の当選となります。

ハワイ州 ブライアン・シャッツ氏(民主党・現職)
ハワイ州の上院議員選挙は、民主党の現職ブライアン・シャッツ氏(50)が当選。同氏はハワイ州副知事などを経た後、2012年に現職上院議員の死去に伴い知事によって後任に任命されました。共和党の新人ボブ・マクダーモット候補と議席を争い、ハワイ州における連邦予算の拡大や気候変動対策の充実を強調。安定した実力が評価され、3回目の当選を果たしました。

ユタ州 マイク・リー氏(共和党・現職)
西部ユタ州の上院議員選挙は、共和党の現職マイク・リー氏(51)が当選。同氏は弁護士として活動した後、2010年に上院議員の議席を獲得しました。今回はトランプ氏の支持を受けて出馬し、選挙戦では銃規制の反対や医療制度改革などを強調。無所属の新人エバン・マクマリン候補を制し、3回目の当選を果たしました。なお、民主党はユタ州での候補者擁立を見送っています。

ペンシルベニア州(知事選挙) ジョシュ・シャピロ氏(民主党・新人)
東部ペンシルベニア州の知事選挙は、民主党の新人ジョシュ・シャピロ氏(49)が当選。同氏は州議会議員を経て2017年から州司法長官を務めています。今回の選挙ではインフラ投資や技術革新の促進に伴う新たな雇用創出などを強調。トランプ氏の公認候補であるタグ・マストリアーノ候補を抑えて初当選となりました。

ワシントン州 パティー・マリー氏(民主党・現職)
西部ワシントン州の上院議員選挙は、民主党の現職パティー・マリー氏(72)が当選しました。同氏は環境や教育問題にかかわる政府活動に携わった後、ワシントン州の州議会議員に就任。1992年の上院議員選挙で初当選し、民主党内や議会で要職を歴任しました。安定した実力が評価され、今回は6回目の当選となります。

オレゴン州 ロン・ワイデン氏(民主党・現職)
西部オレゴン州の上院議員選挙は、民主党の現職ロン・ワイデン氏(73)が当選。同氏は15年間下院議員を務めた後、1996年から上院議員に就任。今回の選挙戦では、新型コロナウイルス感染拡大によって大きな影響を受けた雇用や医療政策に尽力した経験を強調し当選となりました。

ノースカロライナ州 テッド・バッド氏(共和党・新人)
南部ノースカロライナ州の上院議員選挙は、共和党の新人テッド・バッド氏(51)が初当選。同氏はアメリカ議会の下院議員を2016年より3期にわたり務め、今回が初の上院議員選挙となります。トランプ氏の公認候補として出馬し、民主党の新人シェリー・ビーズリー氏との接戦を制して議席を獲得しました。

アイダホ州 マイク・クレイポー氏(共和党・現職)
西部アイダホ州の上院議員選挙は、共和党の現職マイク・クレイポー氏(71)が当選。同氏は同州議会議員などを経て、1999年より上院議員を務めています。今回もトランプ氏の支持を受けて出馬し、原子力発電の推進や銃規制反対などを訴えて5回目の当選となりました。

カリフォルニア州 アレックス・パディラ氏(民主党・現職)
西部カリフォルニア州の上院議員選挙は、民主党の現職アレックス・パディラ氏(49)が当選。パディラ氏はメキシコ移民2世で、同州議会議員や州務長官に就任。昨年からは副大統領に就任したカマラ・ハリス氏の後任として上院議員を務めています。

オハイオ州 J・D・バンス氏(共和党・新人)
中西部オハイオ州の上院議員選挙は、共和党の新人J・D・バンス氏(38)が初当選しました。同氏はイラク戦争に従軍した経歴や投資家としてのキャリアを持ち、自らの経験をもとにした小説「ラストベルト」を上梓。白人労働者層の実像を描いてベストセラーとなった「ヒルビリー・エレジー」の著者としても知られています。

ニューハンプシャー州 マギー・ハッサン氏(民主党・現職)
東部ニューハンプシャー州の上院議員選挙は、民主党の現職マギー・ハッサン氏(64)が当選。弁護士のハッサン氏は2013年より同州知事を務め、2016年上院議員に就任しました。選挙戦ではアメリカ軍兵士の給与増額やインフラ設備の充実などを強調。共和党の新人ドナルド・ボルダック氏を抑えて2回目の当選を果たしました。

アイオワ州 チャック・グラスリー氏(共和党・現職)
中西部アイオワ州の上院議員選挙は、共和党の現職チャック・グラスリー氏(89)が当選しました。同氏は家業の農家を続けるかたわら1980年に初の議席を獲得。上院議員を7期にわたり務め、共和党では最年長の上院議員として知られています。選挙戦では現政権が取り組むインフレ対策や移民対策を強く批判し支持層を固め、8回目の当選となりました。

ミズーリ州 エリック・シュミット氏(共和党・新人)
中西部ミズーリ州の上院議員選挙は、共和党の新人エリック・シュミット氏(47)が当選。弁護士であるシュミット氏は、2019年より同州の司法長官を務めています。今回はトランプ氏の公認候補として出馬し、民主党のトゥルーディー・ブッシュ・バレンタイン氏を抑えて初当選を果たしました。

イリノイ州 タミー・ダックワース氏(民主党・現職)
中西部イリノイ州の上院議員選挙は、民主党の現職タミー・ダックワース氏(54)が当選。同氏はタイ出身のアジア系アメリカ人で、イラク戦争ではヘリコプターの操縦士として活躍しました。その後は退役軍人の待遇改善に取り組み、下院議員を経て2016年に上院議員に初当選。銃規制の強化や移民受け入れを推進し、人工妊娠中絶の権利保障を訴えています。

ルイジアナ州 ジョン・ケネディ氏(共和党・現職)
南部ルイジアナ州の上院議員選挙は、共和党の現職ジョン・ケネディ氏(70)が当選。ケネディ氏は弁護士の肩書きを持ち、同州財務官を5期務めた後2016年に上院議員に初当選しました。選挙戦では「アメリカ第一主義」を掲げ、インフレ対策や新たな雇用創出を強調。共和党支持層からの評価が高く、2回目の当選となりました。

ニューヨーク州 チャック・シューマー氏(民主党・現職)
東部ニューヨーク州の上院議員選挙は、民主党の現職チャック・シューマー氏(71)が5回目の当選。ニューヨーク州議会議員やアメリカ議会下院議員を歴任した後、1998年に上院議員選挙に初出馬し劇的な当選を果たしました。現在、同氏は民主党上院の院内総務を務めています。

メリーランド州 クリス・バンホーレン氏(民主党・現職)
東部メリーランド州の上院議員選挙は、民主党の現職クリス・バンホーレン氏(63)が当選。州議会議員や下院議員を務めた後、2016年上院議員に就任しました。今回の選挙戦では寛容な移民政策や銃規制の強化を訴えてリベラル層を獲得。対立候補のチェーフィー氏を抑えて2回目の当選となりました。

ノースダコタ州 ジョン・ホーベン氏(共和党・現職)
中西部ノースダコタ州の上院議員選挙は、共和党の現職ジョン・ホーベン氏(65)が当選しました。同氏は銀行のCEOや同州知事などを経て2010年に上院議員に就任。今回はトランプ氏の公認候補として出馬し、民主党の新人カトリーナ・クリスチャンセン氏を抑えて3回目の当選となりました。

コロラド州 マイケル・ベネット氏(民主党・現職)
西部コロラド州の上院議員選挙は、民主党の現職マイケル・ベネット氏(75)が当選。ベネット氏は2009年から同州の上院議員を務めています。今回の選挙戦では教育制度の向上や気候変動対策などを訴えて、共和党の新人のジョー・オデー候補を破り3回目の当選を果たしました。

カンザス州 ジェリー・モラン氏(共和党・現職)
中西部カンザス州の上院議員選挙は、共和党の現職ジェリー・モラン氏(68)が当選しました。同氏は銀行員を経て下院議員を7期務めたあと上院議員に就任。今回はトランプ氏の公認候補として出馬し、選挙戦では人工妊娠中絶への反対や不法移民対策の厳格化などを訴えました。

サウスダコタ州 ジョン・スーン氏(共和党・現職)
中西部サウスダコタ州の上院議員選挙は、共和党の現職ジョン・スーン氏(61)が当選。同州にて共和党の事務局長や下院議員を務めた後、2004年に上院議員に就任しました。今回の選挙戦は民主党の新人ブライアン・ベングス候補を破り、4回目の当選を果たしました。

アーカンソー州 ジョン・ブーズマン氏(共和党・現職)
南部アーカンソー州の上院議員選挙は、共和党の現職ジョン・ブーズマン氏(71)が当選。同氏は牧場主や下院議員などを経て、今回はトランプ氏の公認候補として出馬しました。選挙戦では不法移民の取り締まり強化や農業保護政策などを訴え、民主党の新人候補を抑えて3回目の当選となりました。

フロリダ州(知事選挙) ロン・デサンティス氏(共和党・現職)
南部フロリダ州の州知事選挙は、共和党の現職ロン・デサンティス氏(44)が再選を果たしました。デサンティス氏は同州下院議員を務めた後、2018年に州知事選挙に立候補し初当選。今回の選挙では人工妊娠中絶の反対や不法移民対策の強化などを訴えて共和党の支持層を固め、民主党のチャーリー・クリスト氏を抑えて2回目の当選となりました。

バーモント州 ピーター・ウェルチ氏(民主党・新人)
東部バーモント州の上院議員選挙は、民主党の新人ピーター・ウェルチ氏(75)が初当選。ウェルチ氏は弁護士や同州議会議員などを務め、2007年から下院議員を務めています。今回は50年近く務めた民主党の現職引退に伴って上院議員選挙に立候補。共和党の新人ジェラルド・マロイ候補を破り、当選となりました。

アラバマ州 ケイティ・ブリット氏(共和党・新人)
南部アラバマ州の上院議員選挙は、共和党の新人ケイティ・ブリット氏(40)が当選しました。同氏は地元大学を卒業後、首都ワシントンで上院議員の副報道官に就任。法律事務所での勤務経験もあり、司法に強い議員として高い評価を得ています。今回はトランプ氏の公認候補として出馬し、民主党の新人ウィル・ボイド氏を抑えて初当選を果たしました。

オクラホマ州(上院議員補欠選挙) マークウェイン・モリン氏(共和党・新人)
南部オクラホマ州の上院議員選挙の補欠選挙は、共和党の新人マークウェイン・モリン氏(45)が当選。今回の補欠選挙は辞職する共和党議員が有する残任期をめぐって行われました。モリン氏は州内で不動産業や飲食業などのビジネスを手がける一方、2013年から下院議員に就任。選挙戦では現政権の経済対策を強く批判して共和党の支持層を固め、民主党の新人ケンドラ・ホーン候補を破り当選となりました。

フロリダ州 マルコ・ルビオ氏(共和党・現職)
南部フロリダ州の上院議員選挙は、共和党の現職マルコ・ルビオ氏(51)が当選。ルビオ氏はキューバ移民2世で、同州議会議員を経て2010年の上院議員選挙で初当選を果たしました。2016年の大統領選挙では同党の候補者指名争いでトランプ氏に敗れましたが、若手のホープとして高い知名度を誇ります。今回の選挙戦では現政権のインフレ対策を批判する一方、今年9月にフロリダを襲ったハリケーン災害からの復興を訴えて3回目の当選となりました。

ケンタッキー州 ランド・ポール氏(共和党・現職)
南部ケンタッキー州の上院議員選挙は、共和党の現職ランド・ポール氏(59)が当選しました。同氏は2010年の中間選挙で保守派の市民運動「ティーパーティー」から強い支持を受け、上院議員に初当選。2016年には大統領選挙に向けた共和党の候補者選びに立候補し、トランプ氏と熾烈(しれつ)な舌戦を展開しました。今回はトランプ氏の公認候補として出馬し、民主党の新人チャールズ・ブッカー氏を抑えて3回目の当選となります。

サウスカロライナ州 ティム・スコット氏(共和党・現職)
南部サウスカロライナ州の上院議員選挙は、共和党の現職ティム・スコット氏(57)が当選。同氏は2011年からサウスカロライナ州選出の下院議員を務めた後、2013年より上院議員を務めています。今回はトランプ氏からの支持を受けて出馬し、選挙戦では保守層と無党派層に向けた政策を強調。民主党のクリストル・マシューズ候補を抑えて当選を果たしました。

インディアナ州 トッド・ヤング氏(共和党・現職)
中西部インディアナ州の上院議員選挙は、共和党の現職トッド・ヤング氏(50)が当選。ヤング氏は同州選出の下院議員を務めた後、2017年から上院議員を務めています。今回の選挙戦では、退役軍人への支援や教育改革を強調。民主党の新人トーマス・マクダーモット候補を抑えて2回目の当選を果たしました。

参考元:Cable News NetworkBBC NEWSTIME