大勢の移民を首都ワシントンへ送致 共和党の過激な行為をアメリカ政府が強く非難

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大勢の移民を首都ワシントンへ送致 共和党の過激な行為をアメリカ政府が強く非難

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アメリカでは11月の中間選挙を前に、南米からの移民を巻き込む共和党の過激な行動が問題視されています。今月15日には首都ワシントンのハリス副大統領公邸前に2台のバスが到着。不法に入国したおよそ100人の移民を降ろし、バスはその場を立ち去りました。
同様の事例は今年春から続き、移民を大勢乗せたバスがニューヨークなどの都市部へ到着するなど混乱が続いています。乗客の大半はメキシコやベネズエラからの不法移民で、テキサス州の国境を越えた付近でバスに乗せられたと事情を説明。多くの荷物を抱えた方や、幼児連れの家族などが街角で途方に暮れています。自国への仕送りを目的にアメリカでの就労を希望する移民が増える一方、付近の住民らは突然の訪問者に不安を隠しきれません。
首都ワシントンを含む都市部への移民送致を画策したのは、テキサス州のアボット州知事(共和党)です。アボット氏はツイッターで、「我々はハリス副大統領の裏庭に移民を送致します。不法移民の受け入れに寛容なバイデン政権は、国境問題に悩む地域対策を真剣に取り組むべきです」とコメント。今年6月にバイデン氏が移民の受け入れを表明したことで、南米との国境が近いテキサス州やフロリダ州に大勢の移民が押し寄せました。アボット氏は移民の居住区が国境付近の州に集中している状況に不満を示し、不公平であると主張。今月14日にはオバマ元大統領の別荘がある北東部マサチューセッツ州マーサズビンヤード島にフロリダ州から船に乗った移民が到着し、住民や警察を巻き込む騒動が報告されています。
アボット氏や南部における共和党の州知事らは、現政権の国境政策を厳しく批判。民主党議員が州知事を務める地域へ意図的に移民を送致すると公言しています。
これまでに南部から送致された移民は首都ワシントンだけでおよそ1万人に上り、バイデン政権は共和党の画策に強い非難を表明。ホワイトハウスのジャンピエール報道官は、「共和党の知事らが行っている行為は移民の人権を無視し、政治的にも恥ずべき行動です」と反論しました。
一方で移民支援団体のラボルデ氏は、「移民問題は先進国として真摯に取り組むべき問題で、人道的な配慮が必要です。道端に置き去りにするような行為は許されません」とコメント。政権に左右されることなく早期解決を望むと述べました。
中間選挙を前に共和党は国境管理や移民問題をめぐる政権批判を繰り返し、北東部へ移民を送致する行為は今後も続くと予想されます。

参考元:BBC NEWS