アメリカ政府 新型コロナウイルスワクチンの特許権放棄を支持

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アメリカ政府 新型コロナウイルスワクチンの特許権放棄を支持

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現地時間の5月5日、アメリカ政府は新型コロナウイルスワクチンに関する特許権について言及。世界貿易機関(WTO)より提案された新型コロナウイルスワクチンの特許権放棄について支持する方針を明らかにしました。特許権の放棄は南アフリカとインドが要求したもので、認められた場合は世界約60か国でワクチンが大量生産できると両国政府は主張。過去半年にわたり特許権の無効化を求めてきました。
途上国では新型コロナウイルスワクチンが十分に確保できていない状況が続き、連日多くの死者が出るなど事態はさらに深刻化しています。WTOはワクチンの供給を拡大するために、特許権を一時的に停止すべきか協議を進めると報告。アメリカ政府が特許権の放棄を支持したことにより、今後実現に向かうか注目されています。
WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長はアメリカの表明に対し、「記念すべき歴史的な瞬間」とコメント。「世界規模の難題に取り組むアメリカの強力なリーダーシップを支持する」と述べ、歓迎する姿勢を示しています。テドロス事務局長はこれまでにも世界各地でワクチンが生産できるよう、特許権を一時的に停止すべきだと主張してきました。世界でワクチン普及の格差が開き途上国からの反発が強まるなか、ヨーロッパなどの先進国でもワクチンの特許権について慎重な協議が行われる見込みです。
一方、ワクチンを製造する製薬会社側は「ワクチンの大量生産において特許権が最大の障害ではない」と主張。「知的財産権の無効化を求める一連の動きが医療の技術革新を阻害しかねない」と警告しています。スイスのジュネーブに本部を置くIFPMA(国際製薬団体連合会)もアメリカ政府の見解に懸念を表明。「政府の決断に失望した」と述べ、特許権の放棄は間違った解決案だと主張しています。
新型コロナウイルスを研究するジョンズ・ホプキンス大学の上級研究員アダルジャ博士は会見で、「特許権の放棄はワクチン開発に多くの投資をした製薬会社の知的財産を奪うものである」と指摘。
WTOでの採択は各国首脳による全会一致が原則のため、協議には時間を要することが予想されます。

参考元:BBC NEWS
https://www.bbc.co.uk/news/world-us-canada-57004302